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三井住友建設の水上メガソーラー完成。発電量2.6MW。自社開発のフロート「プカット」に、三菱電機製の太陽光モデュールを搭載。太陽光発電は、陸地から水上へシフト(RIEF)

2017-11-14 06:50:53

mitsubishi1キャプチャ

 

 三井住友建設が開発した香川県三木町の大規模水上メガソーラーが完成した。同地の「平木尾池(ひらきおいけ)」という、ため池の池上に、三菱電機製の太陽電池モジュールを設置して発電する。発電容量は2.6MWと水上メガソーラーとしては大規模なものになる。

 

 三井住友建設は、水上太陽光発電用フロート「(PukaTTo(プカット)」を2015年に自社開発し、自らの事業に活用するとともに、一般にも販売している。今回の平木尾池の事業でも、このプカットの上に、三菱電機の太陽電池モデュールを載せた。プカットは、今回の事業を含めて、国内4件、海外2件で採用されている。

 

 三菱電機は今回、初めて水上メガソーラー向けの機器の納入から据え付けまでを担当した。太陽電池モジュール9504枚と、パワーコンディショナー(電流変換器)・高圧受電設備一体型一式を納入した。モジュールは標準仕様で耐候性・耐湿性に優れる3層構造PETフィルムを採用し、フレーム、ネジ、プロテクションバー(保護棒)に耐食性メッキ処理を施した仕様となっている。

 

 また、25年間で出力劣化率20%以内の出力保証と、10年間の瑕疵保証を付けている。モジュールの組み立てには、一部を除いて無鉛はんだを使用することで、廃棄時の環境負荷減少に配慮している。ため池の水面にモジュールを設置することで、水中への光の進入が遮られるため、過剰な藻の発生や水の蒸発を防ぐ効果も得られる。このため、ため池の水質改善に役立つとの期待もある。

 

ため池は、太陽光発電で蘇る
ため池は、太陽光発電で蘇る

 

 固定価格買取制度での太陽光発電の買い取り価格の連続低下などから、国内では太陽光発電に適した一定の規模の土地の確保が難しくなる中で、全国各地の農業地帯にある、ため池等を利用した水上型が注目されている。池面の利用だけでなく、池の周囲に日射を遮る障害物が少ないことから、効率的な発電ができる。また土地の造成工事がないことで初期投資も抑えられるなどのメリットがある。

 

 一方で、池面での設置のため、設備の耐候性・耐湿性などが求められる。三井住友建設のプカット、三菱電機のモデュールはいずれもそうした機能を強化しており、両社はそれぞれ、今後の水上メガソーラー市場での販売拡大を目指している。

 

 日本最大の水上メガソーラーは、京セラと東京センチュリーリースが千葉県の山倉ダムで建設を進めているものがある。発電容量13.7MWを誇り、2018年3月に完成の予定だ。

http://www.smcon.co.jp/2017/111520299/

http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2017/1109-a.html