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英ロンドン名物のブラックキャブの電気自動車版が登場。中国系のLEVCが開発。2021年までに9000台を配備へ(RIEF)

2017-12-06 15:05:57

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 英ロンドン名物でもあるブラックキャブと呼ばれる黒塗りタクシーの電気自動車(EV)モデルが運行を開始した。中国の自動車大手、吉利汽車を親会社に持つロンドン・タクシー・カンパニー(LTC)がフル電化を実施したもので、同社は新しいEVキャブの稼動と同時に、自社名も「ロンドン・エレクトリック・ビークル・カンパニー(LEVC)」に変更、EV時代を先取りする動きをアピールしている。

 

 ロンドンでは2018年1月から新規登録されるタクシー全てを対象に厳しい排ガス規制が施行される。今回のLEVCのEVは同規制を先取りしている。同社では、2021年までに、現在稼動中のタクシー全体の半分に相当する9000台以上を、EVに置き換える方針という。

 

 新EVキャブは、電動のため騒音が少なく、室内は車イスもそのまま乗り入れができるほか、パソコン用の電源、wifi、コンタクトレスのカード決済、車内の天窓からの展望も売り物という。ただ、LEVCのEVはバックアップにガソリンエンジンも積んでおり、正確にはハイブリッド(HV)タイプのようだ。一度の電力充填による走行距離は400マイル(約640km)で、そのうち電力だけで走れるのは80マイル。同社は開発に3億2500万ポンドを投じたという。

 

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 EVキャブは従来のディーゼル車タクシーと、段階的に入れ替えられていく予定で、2021年までに現在稼働中のタクシー総車両数の約半分にあたる9000台以上が投入される見通し。第一号のEVはロンドン市内Circus West Village周辺を中心に運行し、電気のチャージは、 Battersea Power Station regenerationを活用する。現在、同地区では57のチャージステーションを整備している。将来はしない全域で1000のチャージステーションを整備する計画だ。

 

 ロンドン市の環境・エネルギー担当副市長のShirley Rodrigues氏は「今回のEVはサディク・カーン・ロンドン市長が推進しているディーゼル車、ガソリン車をなくし、輸送システム全体をクリーン化する計画を実行する役割を果たす最先端のグリーン輸送技術に基づく。こうした電動タクシーをロンドン市内に登場させたLEVCのリーダーシップを評価する」と述べている。

 

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 LEVCの会長のCarl-Peter Forster氏は「これは単なる出発に過ぎない。われわれは新たなEVタクシーモデル(TXモデル)を2018年後半には欧州で販売する。そして世界全域にも市場を拡大していく。われわれのゴールは、都市の商業自動車(タクシー)の世界においてグローバルなリーダーになることだ」と宣言している。

 

http://www.theelectrictaxi.co.uk/