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東京ガスと九州電力、首都圏の千葉・袖ケ浦で計画中の石炭火力発電をLNG燃料に切り替えを検討。温暖化問題で長期的な採算に懸念(各紙)

2018-08-10 07:57:02

tougasuキャプチャ

  各紙の報道によると、東京ガスと九州電力は千葉県袖ケ浦市で計画している新設の火力発電所の燃料を、これまで想定していた石炭から液化天然ガス(LNG)に転換する検討に入ったという。CO2排出量の多い石炭火力に対する懸念が世界的に高まっており、将来的な採算性に不確実性が生じていることなどから、燃料転換を考慮しているとみられる。ただ現時点では、LNGの燃料価格は石炭より高いことから最終決断には至っていない模様。

 (写真は、袖ケ浦にある東ガスのLNG基地)

 また、袖ケ浦の火力発電所計画は、東ガスと九電のほか、出光興産も参加して進めてきたが、石炭の権益を持つ出光は、LNGへの燃料転換となった場合、参画しない可能性もある、としている。東ガスは同地にLNG基地を持っている。

 計画は、袖ケ浦市にある出光の遊休地に3000億円規模で出力200万kW級の最先端の石炭火力発電所の建設しようというもの。現在、東ガスなどは当初計画を、出力100万kW級のLNG発電所へ切り替える代替案を検討している。投資額は1000億円規模になり、2020年代の稼働を想定している。

  課題は燃料代だ。LNGの燃料費は石炭を上回るため、長期間稼働するとコストが膨らむ。東ガスは付近に保有するLNG受け入れ基地から出光の遊休地までのガスパイプラインの建設費なども勘案し、今後1~2年かけて経済性を評価する。

 一方で、ガスタービンは石炭ボイラーよりも起動が早いため、LNGに切り替えることで、出力が不安定な再生可能エネルギーを補完する電源としての役割も期待できるとしている。東ガスは関東で電力小売事業を強化しており、自社発電所の建設を急いでいる。

 石炭火力を巡っては世界的に温暖化加速要因になっているとして、新規建設の中止・見直しの動きが起きている。3メガバンクなどの金融機関も、石炭火力事業への融資に慎重な姿勢を示している。

 このため日本でも、仙台市の仙台港で石炭火力発電所新設を計画していた住友商事は6月、石炭火力からバイオマス専焼火力に切り替えを発表した。計画からは四国電力が撤退している。また千葉県市原市では旧東燃ゼネラル石油(現JXTGホールディングス)と関西電力が17年3月に中止を発表している。http://rief-jp.org/ct4/79800

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO34009300Z00C18A8MM8000?type=my#AAAUAgAAMA