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住友林業、初のグリーンCB発行。100億円。ニュージーランドの山林資源の取得費用のリファイナンスに充当(RIEF)

2018-09-20 20:31:15

tasmaniaキャプチャ

 

 住友林業は、資金使途を環境関連に絞った「グリーン転換社債(CB)」100億円分を円建てで海外市場で発行した。新株予約権付のグリーンボンドの発行は海外でも例がない。資金使途は、同社グループがニュージーランドで取得した再生可能な山林資産のリファイナンスに充当する。

 

  (写真は、グリーンCBで保全される住友林業グループ保有のタスマニアの森林)

 

 初の「グリーンCB」は、利息のないゼロクーポン債で、払込日は27日(ロンドン時間)。償還期限は2023年9月27日の5年もの。募集価格103.5%、払い込み価格101.0%。転換価額は2192円(9月11日の東証での終値1,826 円)で、アップ率は20.04%。

 

 住友林業ではグリーンCB発行の理由として、低コストの資金調達の実現と、海外投資家向けとすることで資金調達手法の多様化が図れる、としている。コスト面ではゼロ・クーポンでかつ、社債額面を上回る払込金額での発行が実現できた。また、転換価格を時価を上回る水準に設定したことで希薄化を抑制し、既存株主にも配慮できた、としている。

 

 ボンドは、グリーンボンドの市場基準であるグリーンボンド原則(GBP)に準拠するとのセカンド・オピニオンをVigeo Eirisから取得した。Vigeoは同CBについて、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「目標 13: 気候変動対策」と「目標 15: 陸上資源保全」の達成に貢献する、と評価している。

 

 住友林業は2017 年 3 月期から実施する「グループ中期経営計画 2018」で、“新たなステージへ向けた変革の推進”をメインテーマとして持 続的な成長が可能な事業構造の構築に取り組んでおり、その一環として「木の資産価値の変革」を掲げている。

 

 同計画期間中の2016年にニュージーランド・ネルソ ン市で約 3 万1000haの山林資産を取得している。今回のグリーンCBでの調達資金は、この山林資産取得時の短期借入金の返済に100%充てる。CBはESG意識の高い欧州やアジアの機関投資家向けに販売する。

 

 当該ニュージーランド山林資産は、同社の子会社で あるタスマン・パイン・フォレストを通じて取得した。同資産は、成長が早いラジアータ・パインの植林地。同パインは供給が安定しているほか、材質が均質で汎用性が高く価格競争力があるとされる。そのため経済的に、安定した収益が見込まれるほか、気候変動対策のCO2吸収力も高い。FSC(Forest Stewardship Council)の認証も得ている。

 

https://sfc.jp/information/news/pdf/20180911_01.pdf

https://www.tasmanpine.co.nz/forest-access/