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オランダのスキポール空港が初のグリーンボンド。5億ユーロ。空港関連ビルのグリーンビル化促進。EV用電力ステーション等も整備。空港での使用電力はすでに100%再エネ電力(RIEF)

2018-10-12 15:12:50

Schipoleキャプチャ

 

  欧州の主要空港であるオランダのスキポール空港を運営する「ロイヤル・スキポール・グループ」は、空港関連建物の省エネ化を促進する資金調達のため、5億ユーロ(約450億円)のグリーンボンドを発行する。同社は2030年にゼロ廃棄物、2040年に温室効果ガス排出量ゼロの「カーボン・ニュートラル」の達成も掲げ、「世界で最も持続可能な空港となることを目指す」と宣言している。

 

 グリーンボンド の資金使途先となる空港関連建物のグリーン化は、新規、既存の改築のいずれにおいても、国際的な認証規格である LEED(プラチナ、ゴールド)、 BREEAM (Outstanding、 Excellent、 Very Goodの3ランク)、 EPBD (A)の少なくともいずれか一つを取得できるグリーン性能を前提とする。改築分についても、少なくともEPBDでBラベルを取得するなど、エネルギー・ラベルを2ステップ改善が可能なものとする。

 

 また空港内に電気自動車の電気ステーションをタクシー用と、乗用車用を設置するほか、バイオ燃料供給の設備、乗客を誘導する電気輸送設備の整備等も資金使途先とする。同空港へアクセスするリムジンバスや、タクシーの多くはすでにEV化が進んでいる。

 

 

Schipol2キャプチャ

 

 グリーンボンドの資金使途は、国連の持続可能な開発計画(SDGs)にも貢献するとの位置づけだ。空港関連ビルのグリーン化は、目標11(持続可能な年とコミュニティ)、と12(責任ある消費と生産)、輸送関連のクリーン化は同9(産業、イノベーション、インフラ)に相当する、と位置付けている。

 

 

 発行するグリーンボンドは、期間9~12年の間で設定される予定で、オランダのINGがグリーン・ストラクチャー・アドバイザーを務める。共同販売主幹事はINGのほか、 BNP Paribas、NatWest Marketsが務める。日本の金融機関は入っていない。

 

 グリーン性の評価については、英Climate Bonds Initiative(CBI)の認証を得ているほか、セカンド・オピニオンとして、 Vigeo Eirisがグリーンボンド原則(GBP)への適合を付与している。また S&P Global Ratingsによるグリーン格付でE2/74を得ている。

 

 すでに同空港は、今年から空港で使用する電力は100%、同国で生産する風力発電由来となっている。また空港へアクセスするバスネットワークも欧州最大規模の電気バスシステムになっている。今回の周辺ビルのグリーン化と、輸送部門のクリーン化を加速することで、スキポール空港の「グリーン力」は一段と強まることになる。

 

 空港経営事業体によるグリーンボンドの発行としては、メキシコのメキシコシティ空港トラストが、新空港をグリーン空港として建設する資金調達として2020年までに総額60億㌦を発行する計画を進めていることに次ぐ。日本の成田、羽田、関空も、グリーン対応が迫られる時代だ。

https://www.schiphol.nl/en/schiphol-group/page/green-bond-framework/