東京都 2回目のグリーンボンド発行、5年物と30年物、合計100億円。GBP適合。セカンドオピニオンで独機関が「資金使途先のオリンピック競技場建設での木材調達問題へ対応」要請(RIEF)
2018-10-22 15:06:03
東京都は昨年に続いて、グリーンボンドの発行を決めた。ボンドは期間5年ものと30年ものの2種類。それぞれ50億円で、合計100億円。資金使途は、スマート都市を目指した環境配慮型不動産開発や、気候変動への適応対策としての洪水防止、歩道や自転車道の整備等による持続可能な道路開発などとなっている。
発行条件は、5年ものが利率0.020%。調達資金の50億円の資金使途先は、都有施設・道路の照明のLED化、上下水道施設の省エネ化、環境にやさしい都営バスの導入などに充当する。30年ものの50億円は、利率1.004%で、東京オリンピック・パラリンピック用の競技施設の環境対策や都有施設のゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化等に充てる。
グリーンボンドの第三者評価は、前回同様、ドイツのESG評価機関のISS-oekomが担当。日本の国内企業向けの環境省の緩いガイドラインではなく、国際的な市場基準であるグリーンボンド原則(GBP)への適合とともに、ISS-oekomのグリーンボンドKPIへの準拠を承認するセカンド・オピニオンを付与した。
ただ、同オピニオンでは、オリンピックの競技施設建設で、東南アジアからの不法伐採と現地での人権侵害の疑いのある木材が使用されている、とする環境NGOからの指摘があることを明記。「(批判)に対して、フォローアップを行っていくことにより、今後の当該事業におけるグリーンボンドとしての適格性を確認しつつ、正確で公開されたコミュニケーションを実現していくことが望まれる」との、異例の注文を付している。
ボンドはいずれもS&PからA+の信用格付けを得ている。受託会社はみずほ銀行、引き受け・募集取り扱いは野村證券、メリルリンチ日本証券が担当する。すでに両ボンドへの投資は、日本生命、第一生命、3メガバンク、城南信用金庫、イオン銀行、立正大学、工学院大学など30の機関が投資表明を行っている。
東京都は2016年に、グリーンボンドのトライアルとして、個人を対象とした「東京環境サポーター債」を発行、その後昨年10月に日本の自治体として初めてとなる第一回のグリーンボンド100億円分を発行している。昨年も5年債と30年債に分けて発行した。
http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/bond/tosai_ir/gb/20181019_greenbond.pdf
http://www.zaimu.metro.tokyo.jp/bond/tosai_ir/gb/greenbond300822_2.pdf