HOME11.CSR |ロイヤル・ダッチ・シェル、CO2削減の「ネットカーボン・フットプリント」の達成状況を、役員報酬に連動へ。2020年の株主総会で提案。Climate 100+の投資家グループと合意(RIEF) |

ロイヤル・ダッチ・シェル、CO2削減の「ネットカーボン・フットプリント」の達成状況を、役員報酬に連動へ。2020年の株主総会で提案。Climate 100+の投資家グループと合意(RIEF)

2018-12-04 21:07:31

Shell1キャプチャ

 石油メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは、2050年までに「ネットカーボン・フットプリント」を半減させる目標を掲げているが、さらに毎年、3-5年後の削減目標を新たに設定し、その達成を役員報酬に連動させると、公表した。CO2削減を明確な経営目標とする。2020年の株主総会で決定する方針だ。

 

 シェルの方針は、「Climate Action+」イニシアティブに参加する RobecoやChurch of England Pensions Boardなどの32の投資家グループ(資産規模32兆㌦)のリード役との協議を受けて決めた。

 

 シェルは2017年に、石油メジャーとして初めて、販売する石油製品のネットカーボン・フットプリントを2050年に半減、2035年に20%とするパリ協定に整合する長期目標を設定している。

 

 今回、この長期目標の達成を経営として明確にするため、毎年、今後3-5年間のネットカーボン・フットプリント削減の目標を設定し、その達成に責任を持つことを示すため、達成状況を役員の報酬と連動させることとした。毎年の目標設定は2020年から始めて、長期目標の年限である2050年まで続ける。

シェルCEOのBen van Beurden 氏
シェルCEOのBen van Beurden 氏

 シェルのCEO、Ben van Beurden氏は「われわれはネットカーボン・フットプリント削減のわれわれの野心を、より短い目標を毎年設定することで、現実化することができる。この方針は、シェルの将来をより良いものとし、世界がパリ協定の目標に合致する活動を確実にすることになる」と述べている。

 

 役員報酬は、ネットカーボン・フットプリントの目標達成と、その他の要因等の評価で決定する方針になる見通し。詳細は、株主総会までに詰めて、提案するが、役員報酬のうち何%かをフットプリントの削減目標の成否で評価することになる模様。

 

 ネットカーボン・フットプリントの達成状況については、毎年のサステナビリティ・レポートで記載する。金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)の勧告に沿って、その開示内容をアニュアルレポートと、米証券取引委員会(SEC)に提出する外国企業のForm 20-F報告書に盛り込む予定。ネットカーボン・フットプリントの正確性については第三者認証を得ることになる。

 

 Climate Action 100+の創設議長のAnne Simpson氏は「シェルとClimate Action 100+の主要投資家の対話の成果を歓迎する。シェルによるコミットメントは、パリ協定の目標をかなえるためのグローバルパートナーシップと対話の価値を示すものだ」と称賛している。

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2018/leading-investors-back-shells-climate-targets.html