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東京電力グループと新電力大手のイーレックス、再エネ電力販売で共同会社設立。「RE100」目標を掲げる大企業向けに再エネ電力販売に力。4月から営業開始(RIEF)

2019-03-19 13:12:00

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  東京電力ホールディングスと新電力のイーレックスは18日、再生可能エネルギー電力を大企業向けに販売する事業を中心とする新会社を共同で設立すると発表した。会社名は「エバーグリーン・マーケティング」。4月から営業を開始し、両社が開発する水力発電、バイオマス発電などの再生エネ電力を、再エネ比率引き上げを目指す企業等に販売する。

 

 東電側の提携先は、東電エネジーパートナー(東電EP)。東電グループの電力小売、ガス事業等を担当している。イーレックスはバイオマス発電等に力を入れており、新電力会社ではリーディングカンパニーと位置づけられている。新会社への出資比率はイーレックスが66%、東電EPが34%で、イーレックスが主導権をとる。イーレックスは自社の顧客を将来的にすべて新会社に移行させ、東電の持つ省エネ技術などで営業力を高める狙いとしている。

 

 新会社には当面イーレックスの営業部門が30人程度、東電EPからも幹部や社員が参加する。販売する再生エネ電力は、東電HDとイーレックスが提供する。主な顧客ターゲットは、自社で使う電力を全て再生エネで賄うことを宣言する「RE100」の加盟企業を中心とする。また、電力販売のほか、省エネ・省コストに資する付加価値サービス等も提供するとしている。

 

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 小売電力自由化で電力事業に進出した新電力は既存電力等の競争で厳しい経営環境にある。その中で、再エネ電力市場に照準を定めて、新電力のトップ企業と東電が連携したことで、今後、業界再編が進む可能性もある。東電は福島原発事故のイメージから、自前で再エネ電力の販売を拡大するには限界があり、イーレックスとの連携に踏み切ったとみられる。

 

 今回の提携では、東電側が再生エネ以外の電力を新会社やイーレックスに卸す取引も結んでいる。九州を大きな営業基盤とするイーレックス側にとっては、首都圏での営業力の強化と、電力調達の課題も、同時に解消できるメリットが生じる。

 

 イーレックスの本名均社長は記者会見で、「新電力と旧一般電気事業者(大手電力)の垣根を越えた協業が必要との認識に至った」と、東電との連携に踏み切った背景を語った。東電EPの大亀薫副社長は「自分たちだけでは到達しにくい顧客にアプローチしたい」と述べている。両社の協議は、2018年秋から重ねていたという。

https://www.erex.co.jp/news/wp-content/uploads/2019/03/20190318_evergreen_marketing.pdf