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持続可能なパーム油のための日本ネットワーク「JaSPON」発足。イオン、花王、ライオン等18社が結集。適正なアブラヤシ栽培を支援(RIEF)

2019-04-13 21:41:55

パーム油の元になるアブラヤシの実を収穫する

 

 イオンやライオンなど18企業・団体が、食品や洗剤などで使われるパーム油の持続可能な調達を目指す団体を設立した。団体名は「ジャパン・サステナブル・パーム・オイル・ネットワーク(JaSPON)」。各社が使用するパーム油が、森林を破壊して植えたアブラヤシ等を原料に使っていないことを示す国際認証を取得し、認証関連商品の日本での普及を目指す。

 

 (写真は、パーム油を搾取するアブラヤシの収穫)

 

 東南アジアで栽培されるパーム油農園の開発では、一部の違法事業者らが、熱帯雨林地帯を一気に伐採、生態系も破壊する形でパーム油農園を拡大することが問題になっている。パーム油栽培は、インドネシアとマレーシアの2カ国に世界全体の生産量の約85%が集中しているという。

 

 大規模パーム油農園の過剰な拡大は、熱帯林の損失・生態系の破壊が進むほか、泥炭地開発に伴って大量の温室効果ガス排出の増加につながる課題が指摘されている。また、栽培したアブラヤシからパーム油を搾取するために、一部の農園での強制労働や児童労働などの人権問題も起きている。

 

 現地の農業事業の維持と、環境・社会両面での反持続可能な問題の両立を目指すために、現地では、環境・社会に配慮した適正な栽培方法でパーム油を開発していることを証明する「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」の認証制度を制定している。RSPOは2004年に始まり、マレーシアに本部がある。

 

 ただ、日本にはRSPOの拠点がないため、パーム油を購入する企業が認証を取得する際に、時間がかかるなどの課題があった。そこで、パーム油を製品に使用する企業を中心として新団体を立ち上げ、認証取得をし易くすることを目指すことになった。RSPO認証の製品が広がると、認証を受けていない製品・サービスを市場から淘汰する道も拓ける。

 

 JaSPONが目指す主な活動内容は、①持続可能なパーム油の調達に関する情報収集・情報提供②持続可能なパーム油の調達と消費を促進する活動③メンバー相互の情報交換、メンバーのための情報提供④外部組織に対し、日本のステークホルダーの意見をまとめ交渉する窓口⑤その他必要な活動、としている。


<JaSPON 発足メンバー>
味の素、イオン、エスビー食品、花王、グリーン購入ネットワーク(GPN)、株式会社Control Union Japan、サラヤ、資生堂、西友、WWF、ダーボン・オーガニック・ジャパン、太陽油脂、日清食品ホールディングス、日油、ボルネオ保全トラスト・ジャパン、明治、森永乳業、ライオンの各社。

 

https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3520.html

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000018383.html