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全日空グループ、国内事業会社初のソーシャルボンド発行へ。車いすでの利用可能な施設改修等に50億円分を調達。5月にも発行(RIEF)

2019-04-18 10:22:18

ANA2キャプチャ

 ANAホールディングスは、空港の受付や搭乗ゲートを車いすでも利用可能にする施設改修などの資金を調達するため、同社として初のソーシャルボンドを発行すると発表した。期間7年、発行額50億円。5月にも発行する。同社は昨年、グリーンボンドを発行しているが、ソーシャルボンドの発行は国内の事業会社として初めて。

  これまで国内でのソーシャルボンドは、国際協力機構(JICA)や日本学生支援機構などが発行している。

 ANAは、昨年2月に、ESG経営を中核に据えた「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を策定。その中で経営の重要課題(マテリアリティ)として、「環境」「人権」「ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」の4項目を掲げている。「社会的価値」と「経済的価値」の同時解決で企業価値向上を目指す方針だ。

 今回、この4項目のうち、「ダイバーシティ&インクルージョン」への取り組みとして、顧客への「ユニバーサルなサービス」の提供、従業員へのユニバーサル対応を、資金使途とするソーシャルボンドの発行を決めた。

 資金使途の詳細は、まず、ウェブサイトをユニバーサルサービスの国際標準のW3Cアクセシビリティ・ガイドラインに適合するように改修するほか、国内空港施設のチェックイン・カウンターに介助の人が必要な顧客向けのローカウンターを設置する。またラウンジも改修し、ローカウンターの導入や車いす利用がスムーズに進むように、扉や通路幅を拡大する。搭乗ゲートの幅も拡充する。

 また従業員の障がい者対策として、車いす利用者専用駐車場の設置、多機能トイレの導入、事務所の扉・通路幅の確保などの工事費用にも充てる。



 発行するボンドは、国際資本市場協会(ICMA)の「ソーシャルボンド原則2018」に準拠したフレームワークに基づいて発行する。同ボンドの第三者評価として、日本格付研究所(JCR)が最上位評価の「Social 1」の予備評価を付与した。

 主幹事はSMBC日興証券と野村証券。SMBC日興がソーシャルボンド・ストラクチャー・エージェントを務める。

 ANAグループは「ユニバーサルなサービス」ポリシーとして「私たちは、だれもが利用しやすいサービスを提供します。お客様一人ひとりのご希望に寄り添った環境づくりとサポートを行います。お客様とともに新たな体験や歓びを創ります」等をうたっている。

 同グループは昨年10月に、発行額100億円、期間10年のグリーンボンドを発行。東京都大田区で建設中の訓練施設「総合トレーニングセンター(仮称)」に、太陽光発電、LED、屋上緑化等を導入する建設費用の一部に充当した。

https://www.ana.co.jp/group/pr/201904/20190417-2.html