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ロシアのガス大手ノバテク、北極圏のヤマルLNG基地から初の日本向け輸出。北極海を西進、スエズ経由。将来はベーリング海の最短ルートで。温暖化で北極の海氷溶融がビジネス拡大(RIEF)

2019-06-27 03:15:14

ヤマルLNG基地

 

 ロシアのガス大手のノバテク( PAO NOVATEK )は、北極圏に面したヤマルLNG基地で開発したLNGを日本に輸出したと発表した。 ヤマルからの日本向け輸出は初めて。北極海を西進し、ノルウェー沖からスエズ運河経由で日本に運んだ。将来は、北極海を東進し、ベーリング海経由の最短ルートで運びたい考えという。

 

 (写真は、北極海に面したノバテクのヤマルLNG基地)

 

 日本向けの初出荷は、ヤマルLNG基地開発に出資している仏トタルとの長期契約に基づく。LNGはヤマル基地から砕氷LNGタンカーで北極海を西進し、欧州で通常のLNG船に積み替えられ、その後、スエズ運河経由で日本に運ばれた。日本では、北九州の戸畑LNGターミナルに陸揚げされた。https://rief-jp.org/ct4/83267

 

 ヤマル基地からのlNG輸送の砕氷LNGタンカーは、日本の商船三井も現在、建設を韓国の造船会社大宇造船海洋に発注している。https://rief-jp.org/ct4/70997

 

 ノバテク会長のレオニード・ミヘルソン(Leonid Mikhelson)氏は「重要なLNG市場である日本向けの輸出は、われわれのLNG市場戦略にとって最優先課題の一つ。将来は、北方ルートとカムチャッカの中継基地を経由したロジスチックチェーンを開発し、日本へのLNG供給を増やすほか、アジアの国々との貿易・経済関係を強化したい」と展望している。

冬は凍り付くヤマルLNG基地
冬は凍り付くヤマルLNG基地

 

 ノバテクは、ロシアの独立系ガス会社としては最大の企業。1994年の設立で、天然ガスの開発から精製、マーケティング等を展開している。2017年にヤマルLNGプロジェクトを手掛け、グローバルガス市場に参入した。

 

 ヤマル地区は北極海に面したヤマル半島にある世界最大の天然ガスの生産拠点。ロシアのガス生産の80%、世界の15%を占めるとされる。2022~23年の稼働を目指して、第二の基地「アークテック2」には三井物産などが出資する方向で調整が続いているという。ノバテクはモスクワ証券取引所とロンドン証券取引所の両方に上場されている。

 

http://www.novatek.ru/en/press/releases/index.php?id_4=3268