HOME11.CSR |伊藤園、「お~いお茶」のペットボトルを2030年までに100%リサイクルボトルに。日本コカコーラはセブン&ホールディングスと連携、店頭回収ボトルからの再生ボトル飲料を販売。「脱廃プラ」戦略で競う(RIEF) |

伊藤園、「お~いお茶」のペットボトルを2030年までに100%リサイクルボトルに。日本コカコーラはセブン&ホールディングスと連携、店頭回収ボトルからの再生ボトル飲料を販売。「脱廃プラ」戦略で競う(RIEF)

2019-06-28 18:41:56

itouen1キャプチャ

 

  伊藤園(東京)は、同社の人気商品、「お~いお茶」ブランドで使用するペットボトルを、2030年をめどに100%リサイクルボトルに切り替える。第一弾として、今月から600mlと525mlのペットボトルを100%リサイクルボトルに切り替える。一方、日本コカコーラはセブン&アイ・ホールディングスと連携、セブンイレブン等の店頭で回収したペットボトルをリサイクルした完全循環型ペットボトル使用の飲料を今月からセブンの店舗で販売している。

 

 飲料各社の競争は、価格と味わいに加えて、新たに「地球に、海洋に、優しいボトルかどうか」の視点が付け加わった格好だ。

 

 伊藤園のリサイクルボトルは、使用済みペットボトルをリサイクルした再生樹脂素材から製造(ペットボトル to ペットボトル)する容器を使う。6月からの2種類の先行商品に続いて、9月には第2弾として業界初となる加温・電子レンジに対応した「100%リサイクルペットボトル」の「お~いお茶」を発売する計画という。

 

itouen2キャプチャ

 

 伊藤園は、これまでも持続可能な社会・環境目標を踏まえた「伊藤園グループ環境方針」に基づいて、環境負荷の低い、薬剤を使わない新しい充填方式「NSシステム」の導入やヒートアイランド現象緩和効果がある茶殻リサイクル製品の提案、アルミを使わずに長期常温保存できる環境配慮型の紙容器の採用など、環境保全に貢献する取り組みを行ってきた。

 

 今回の100%リサイクルペットボトル化の展開は、そうしたこれまでの環境配慮活動を踏まえ、さらに一歩踏み出す形となる。同社は、ペットボトルの軽量化にも注力している。プラスチック使用量削減につなげるため、「健康ミネラルむぎ茶」2㍑ペットボトルについて、従来比約27%軽量化したペットボトルを採用、今年2月から一部地域で発売している。

 

 「お~いお茶 緑茶」ブランドでも、350mlペットボトルで、キャップを従来比約7%、ボトル本体を約14%軽量化し、ラベルを従来比約43%薄膜化したペットボトルを採用、5月27日より発売している。

 

日本コカコーラとセブン&アイホールディングスのタイアップ
日本コカコーラとセブン&アイ・ホールディングスのタイアップ

 

 一方、ライバルの日本コカ・コーラは、セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区)と連携して、セブン-イレブンやイトーヨーカドー等の店頭で回収したペットボトルを原料として再資源化した再生ペットボトル使用の飲料を、今月10日からセブン等の店頭で販売している。

 

 再生ペットボトルは、回収したペットボトルを粉砕して再資源化した再生PET樹脂を100%使う。同ペットボトルを使用する飲料水は、2017年5月に発売した両社の共同企画商品「一(はじめ)緑茶 一日一本」(機能性表示食品)のリニューアル飲料。容量は500mlで、価格は118円(消費税抜き)。

 

 セブン‐イレブン、イトーヨーカドーのほか、ヨークベニマル、ヨークマート、そごう・西武のセブン&アイグループ約21,400店(2019年5月末)にて順次発売していく。両社によると、特定の流通グループの店頭で回収したペットボトルを100%使用した再生ペットボトルで、再び同一の流通グループで商品として販売する取り組みは、世界でも初めてという。

 

itouen5キャプチャ

 

 セブン&アイ・ホールディングスは5月に発表したグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」で、オリジナル商品で使用するプラスチック容器について、環境配慮型素材(バイオマス・生分解性・リサイクル素材・紙等)を、2030年に50%、2050年に100%使用する目標などを掲げている。

 

 目標達成に向けた取り組みとして、グループ全体で759台のペットボトル回収機を各店頭に設置。年間約3億本(8,900t)のペットボトルを回収している(2018年度)。店頭で回収したペットボトルをリサイクルし、プライベートブランドで「ボトルtoボトル」の商品化も予定している。

https://www.itoen.co.jp/news/detail/id=25355

https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20190605-15