HOME |ロイヤル・ダッチ・シェル、日本の小売電力市場に参入。経産省に登録済み。企業向け販売からはじめ、「卒FIT」の家庭市場も視野に。「100%再エネ電力」販売の期待(各紙) |

ロイヤル・ダッチ・シェル、日本の小売電力市場に参入。経産省に登録済み。企業向け販売からはじめ、「卒FIT」の家庭市場も視野に。「100%再エネ電力」販売の期待(各紙)

2019-07-05 11:58:35

Shellキャプチャ

 

 各紙の報道によると、石油メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが日本の小売電力市場に参入したことが明らかになった。すでに経済産業省に小売電気事業者の登録を済ませた。電力卸売市場から電力を調達、企業向け販売を始めており、将来は家庭向けにも販売する方向という。

 

 日本経済新聞が報じた。シェルはすでに英国では家庭向けの電力を販売している。英国の家庭向けに販売する電力は100%再生可能エネルギー電力で、英国の再エネ保証制度「Renewable Energy Guarantees of Origin(REGOs)」の認証付き。

 

 日本では家庭での太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)の期限が今年11月から切れ、「卒FIT電力」の争奪戦が始まっている。シェルが「100%再エネ電力」販売を掲げて、卒FIT市場に参入する可能性もある。

 

 シェルは今年3月にドイツの蓄電池大手のゾンネンを買収している。家庭向けの卒FIT買電や、企業の自社発電等の電力の買電で蓄電池込みの調達とすることで、再エネ100%電力の販売力を高めることも期待できる。

 

 企業が事業で使う電力を再エネ100%に切り替えることを宣言する「RE100」企業は日本でも19社が宣言している。これらの企業は再エネ100%電力の調達を急いでおり、再エネ100%電力の需要増を後押ししている。

 

 また日経の報道によると、シェルは2021年度から立ち上がる予定の電力の需給調整市場へも参入するという。同市場は、太陽光発電等の再エネ電力を安定的に電力網に接続することを確保するための調整市場で、住宅の太陽光発電等をプール化する仮想発電所(VPP)などの事業化が見込まれている。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46985210U9A700C1MM8000/

 https://www.shell.com/