住友ゴムと関西大学、タイヤの回転で発電する技術開発。接地面での静電気利用。靴にも応用可能(RIEF)
2019-07-28 22:27:47
住友ゴム工業(神戸市)は関西大学(吹田市)と共同で、自動車タイヤの回転で発電する仕組みを開発した。タイヤの内側に静電気を利用した発電デバイスを設け、タイヤの回転により接地面で発電する。同技術は、靴のインソールにも応用できるとのことで、歩くたびに発電できる靴も登場しそうだ。
(写真は、タイや内部に取り付ける発電デバイス)
新技術は住友ゴムとは関西大学の谷弘詞教授の研究室が共同開発した。静電気の一種である摩擦帯電現象を応用した。
タイヤの内側にゴム、フィルムをベースにした柔軟で軽量な摩擦発電機を設ける。タイヤの回転に伴って接地面が変形することにより、発電素子が効率よく電力を発生させるという。
同技術をタイヤに導入することで、タイヤの内側に取り付けるTPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)などのセンサー類の電源供給用として応用できるほか、電池不要で空気圧や温度、摩耗状態などをモニタできるタイヤの開発、バッテリー不要のデジタルツールを活用した新サービス創出につながる。
連続的に接地面との間で摩擦が生ずれば発電できるため、谷教授らは靴に入れる発電インソールや、さまざまな機器に使用される転がり軸受の運転状態モニタリングを行うための自己発電型摩擦帯電センサーなどの開発も進めているという。
住友ゴムは、自動車産業を取り巻く環境が大きく変化する中、「さらに高い安全性能」「さらに高い環境性能」を実現するタイヤ技術開発コンセプト「Smart Tyre Concept」を掲げている。今回のような新技術を使ってデジタルツールを含む新たなソリューションサービスを展開していく計画だ。
http://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2019/sri/2019_060.html