HOME |高砂熱学工業、ネット・ゼロ・エネルギー(ZEB)のイノベーションセンター建設資金調達で、グリーンボンド50億円発行。茨木・つくばみらい市に建設(RIEF) |

高砂熱学工業、ネット・ゼロ・エネルギー(ZEB)のイノベーションセンター建設資金調達で、グリーンボンド50億円発行。茨木・つくばみらい市に建設(RIEF)

2019-08-07 09:00:19

takasago1キャプチャ

 

 高砂熱学工業(東京)は、初のグリーンボンド、50億円分を発行した。調達資金は、茨城県つくばみらい市に建設中の「(仮 称)イノベーションセンター」の建設資金・設備資金に充当する。 同センターは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル (ZEB)」で、エネルギー利用・供給等の研究開発拠点となる。

 

 同センターは、すでに2月から建設に着手しており、完成は2020 年 1 月末の予定。エネルギー利用・供給のほか、室内環境制御、設備管理・運用制御、 製造環境清浄化、水環境浄化を柱とする研究開発の推進拠点となる。研究活動自体が「グリーン性」が高いうえに、建物自体も、「ネット・ゼロ・エネルギー」のグリーンビルとして評価される。

 

   ZEB化(省エネ(50%以上)+創エネで100%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物)は、センターの中心に位置づけられるオフィス棟で実現する計画。センター全体としては、ZEB Ready( 50%以上の一次エネルギー消費量の削減を実現している建物)の実現を目指す。

 

 グリーンボンドの発行額50億円、発行年限は7年、利率は年0.270%。三菱UFJモルガンスタンレー証券とSMBC日興証券が主幹事を務める。債券の信用格付けは、日本格付研究所(JCR)がA-を付与、グリーン性については同社のグリーンボンド評価で最上位のGreen1を付与した。

 

イノベーションセンターの配置図
イノベーションセンターの配置図

 

 イノベーションセンターは、敷地面積2万2746㎡、建築面積は約7100㎡、延床面積約1万1600㎡。鉄骨造2階建てのゆったりした造り。同社では建物の環境性能評価については、国際的な基準となる米国のLEED評価の Gold certificationの取得を目指すとしている。

 

 ZEB化を実現するため、メインのオフィス棟には以下のような最新技術が導入される。

 

 ● 地下水をカスケード熱利用した空調システム ・地下水蓄熱槽による床放射空調 ・デシカント空調機・放射空調・デスク空調・DCファン付コイルユニット ・水冷ヒートポンプ空調機の採用

● 再生可能エネルギー利用の安定化 ・木質バイオマス発電機による熱電供給 (デシカント空調機、暖房・給湯への利用ならびにチップ乾燥利用)・太陽光発電+蓄電池+電気自動車による電力自給率向上・ヒートカット・電源バックアップ

● 昼光利用と卓越風を利用した自然換気窓の採用 ・ハイサイドライト、自然換気窓による昼光利用 ・自然換気窓による中間期の外気冷房の利用

● 金属性放射パネルを利用した間接照明システム ・放射パネルを輝度面としたやわらかい光による間接照明システム

 

takasago3キャプチャ

 

 イノベーションセンターが完成すると、現在、神奈川県厚木市にある技術研究所を移転させるほか、本社機能のうち開発企画・開発部門も移転させる。センターの敷地内には、オフィス棟、設備展示棟・プレ ゼンルーム、ラボ棟で構成する施設と、地域開放の庭などを配置する計画だ。

 

https://www.tte-net.com/topics/2019/pdf/20190709_2.pdf