JERA、台湾での洋上風力発電事業に本格参画。出資比率49%。豪マッコーリー社から事業権益を取得。日本政策投資銀行がファイナンス。今年2月の第1事業参画に次ぐ風力事業強化(RIEF)
2019-10-09 19:44:36

東電と中電の共同会社JERAは、台湾の北西部で開発を予定している「フォルモサ2洋上風力発電事業」に参画を決めた。事業を推進してきた豪マッコーリー社から事業全体の49%の事業権益を取得することで合意した。JERAは今年2月にフォルモサ1事業にも参画しており、海外での風力発電事業基盤を強化することになる。
(写真は、すでに稼働しているフォルモサ1洋上風力発電事業)
同社によると、参画を決めたフォルモサ2洋上風力発電事業は台湾苗栗県の沖合に、合計47基の着床式風力発電機を設置する。今月中に工事に着手し、2021年末に商業運転に入る予定。出力37.6万kWで、全量を台湾の固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。
権益取得に際して、日本政策投資銀行の融資を受けているが、融資額は公表していない。事業の49%を取得することで、同事業の最大出資者となり、同社では「事業を牽引していく」としている。
すでに同発電所のフォルモサ1プロジェクトに参画している。同事業は22基の風力発電設備を建設、全体の出力は12.8万kW。2017年4月に商業運転を開始、並行して建設中で、今年末に全体計画が完了する予定。同事業もマッコーリー社のほか、エルステッド社、スワンコール社が共同事業者になっている。
フォルモサ1に続いて、出力で約3倍のフォルモサ2計画にも参画することで、JERAの洋上風力発電事業は厚みを増す。同社はこれまで石炭やガス火力発電事業を主力としており、中東や北中米等で多くのプロジェクトを抱えている。だが、これらの案件には老朽化したものも少なくないほか、温暖化対策で新規火力発電の建設は容易ではなくなっている。
このため今年4月就任した小野田聡社長(中部電力出身)は、就任に際して「洋上風力など再生可能エネルギーを育てる」と語り、2025年に向けたビジョンに「LNGと再エネにおけるグローバルリーダー」を目指すことを掲げている。https://rief-jp.org/ct4/86828
すでにタイやインド、英国北海沖等でも風力発電事業を展開しているほか、太陽光発電事業にも参入している。今回の台湾での風力発電事業に出資比率で参加を決めたことについて、同社は「建設初期段階からより大きな出資比率で参画することにより、プロジェクトの開発を牽引し、収益性の向上を目指していく」と説明している。