大林組、インドネシア・ビンタン島で、大規模太陽光植物工場建設へ。ミニトマトや葉物野菜中心。2021年1月から東南アジアの中間層をターゲットに販売(RIEF)
2020-01-30 09:40:36
大林組は、インドネシアで太陽光を活用した大規模な植物工場を建設する。現地企業と合弁で、ミニトマトや葉物野菜を栽培する。販売先は、シンガポール等の東南アジア圏への輸出を目指す。2021年1月からの販売開始を予定している。アジア地域でもESG配慮の消費行動が広がっていることを受けてビジネス機会を拡大する。
(写真は、インドネシアでの太陽光植物工場の完成予想図)
大林組が連携するのはシンガポールのGallant Venture LTD(ガラントベンチャー)のインドネシア子会社、PT. Persada Hijau Cemerlang(ペルサダ ヒジャウ チュムルラン)。
今年10月をめどに、インドネシア・ビンタン島に1ha規模の太陽光を利用した実証実験施設を建設する。同施設では、熱帯気候に適応したミニトマトと葉物野菜の栽培を試行する。また、流通販売網の確立を進める。
大林組は、すでに2014年11月に設立したグループのオーク香取ファームの太陽光型植物工場(千葉県香取市)で、大規模水耕栽培のノウハウを確立している。同技術に加え、空調による温度管理などの独自技術を適用し、熱帯地域でも高度に環境制御された植物工場において、高品位作物を安定供給できる見通しを得ている。
栽培する野菜類の販売対象は、東南アジア地域の中間所得層以上をターゲットとする。同地域では、近年の経済成長によって所得の増加や健康志向の高まりなどから、高品位で安全な食材への消費者の関心が高まっている。10月に完成する実証実験施設の運営を通じて、そうした市場需要を把握、大規模事業化への準備を進める。
ビンタン島はシンガポール海峡をはさんで、シンガポールの南東46kmに位置する。自然が数多く残されたリゾート地としても知られる。太陽光植物工場で連携するガラントベンチャーは、シンガポール証券市場の上場企業で、ビンタン島やバタム島での工業団地、リゾート施設の運営等の事業展開をしている。