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米アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏、気候変動対策で100億㌦(約1兆1000億円)の個人ファンドを立ち上げ。科学者や活動家、NGOらに資金支援(RIEF)

2020-02-18 15:09:00

Amazon11キャプチャ

 

  米アマゾン・ドット・コム創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏は17日、気候変動対策のために自らの個人資産で100億㌦(約1兆1000億円)のファンドを立ち上げると公表した。ベゾス氏は気候変動を「地球への最大の脅威」と位置付け、問題解決に取り組む科学者や活動家、NGOらに資金支援を行う方針を明らかにした。

 

 100億㌦ファンドの名称は「ベゾス・アース・ファンド(Bezos Earth Fund)」。今年夏から資金提供を始めるとしている。ベゾス氏はアマゾン株などで個人資産1300億㌦を保有する世界最大の富豪。新ファンドの狙いについて、「科学者や環境活動家、NGOらによる、世界の自然を保存し保護することに役立つすべての努力を対象とする」と述べている。

 

 同氏はさらに、「私は、気候変動の悲惨な影響と闘うための新たな方法を開発し、新たな方法を広めることの両方に、他の人々と一緒に取り組みたい。我々はこの地球を救えるんだ。大企業や中小企業、各国国家、グローバル機関、個人も、それぞれが力を合わせることで、地球を救うことができるんだ」と指摘している。

 

 アマゾンは2019年2月、注文商品の出荷業務で生じるCO2排出量を2030年までに50%削減し、40年にはネットゼロ排出量のカーボンニュートラルを実現する「Shipment Zero」計画を公表している。しかし、同社の従業員で構成する「Amazon Employees for Climate Justice」は、ベゾス氏らの経営陣に対して、気候対策への貢献の引き上げを要請していた。https://rief-jp.org/ct8/94131

 

 今世紀に入って、これまで1個人が社会的な寄付を行った最大の金額は、米投資家のウォーレン・バフェット氏が2006年に、自己保有資産430億㌦を、マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏が設立した「ゲーツ基金」に寄付した事例がある。ベゾス氏の今回の寄付は金額ベースで第2位に位置づけられる。同氏の100億㌦の寄付は、同氏の個人金融資産の約7.5%に相当する。

 

 ベゾス氏は昨年、一緒にアマゾンを立ち上げた奥さんのマッケンジーさんと離婚。マッケンジーさんは離婚に際してベゾス氏に帰属するアマゾン株約4%(350億㌦)を受け取ったとされる。マッケンジーさんは手にした金額の半分を、バフェット氏とゲイツ氏が始めた寄付啓蒙活動の「ギビング・プレッジ」に寄付した。

 

 同活動は、資産家が生前または死亡時に資産の半分以上を慈善事業に寄付することを呼び掛けているものだが、これまでベゾス氏は寄付していなかった。日本の富裕層も、自らの環境・社会ファンドを設立してはどうか。

https://www.geekwire.com/2020/jeff-bezos-launches-10b-earth-fund-support-efforts-address-climate-change/