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京都市、市民の太陽光発電・蓄電池普及のため、「リバースオークション」を活用した共同購入支援制度導入。市民に最安値の購入価格実現し、事業者にはまとまった事業需要を確保(RIEF)

2020-03-14 22:26:35

kyoto1キャプチャ

 

 京都市は、太陽光発電設備と蓄電池を導入したい市民等を、市が選定した事業実施者が公募・グループ化し、施工事業者とマッチングさせる共同購入支援制度をスタートさせた。事業実施者は、設備事業者に対して、購入料金を「入札」するリバー スオークションを実施、最安価の料金プランを提示した事業者を選ぶ。市民は安心して太陽光発電を導入できる一方、設備事業者もまとまった事業需要を確保できることになる。

 

 太陽光発電や蓄電池の共同購入支援事業は、東京都、大阪府や神奈川県等でも取り入れている。同制度では、太陽光発電設備の導入を考えている市民と、販売を進めたい設備事業者の中間に、「信頼できる」事業実施者を置くことで、市民が納得できる価格での設備提供を確保、再エネ普及につなげることを目的としている。

 

 京都市は、市が定めた一定の条件に合致する事業実施者を選定する。市は今回、同事業実施者と1年間の協定を結ぶ。選ばれた事業実施者は協定期間中に、広告宣伝等を行って一般の購入希望者を募集する。また事業実施者は事前に設定した要件を満たした事業者に対して、いくらの料金で設備を提供できるかを「入札」で問う「リバー スオークション」を実施する。

 

 通常の入札では、売り手が最も高い値をつけた買い手を選ぶが、リバースオークションの場合は、買い手が売り手を選定する逆(リバース)の入札で、最も安価な料金プランを提示した事業者を施工事業者として選定する。事業実施者は次に、応募した購入希望者に対して選定した施工事業者の料金プランを示し、購入意思の最終確認を行う。購入の契約は、希望者と施工事業者が相対で契約する仕組みだ。

 

 事業実施者を仲介役として置くことで、消費者が個別に直接、太陽光設備事業者と交渉するよりも公正な交渉が期待される。さらに事業実施者が購入者をグループ化することで購買力のスケールメリットが増す。施行事業者にとっても、まとまった事業を一度に契約できることで、価格を下げても事業メリットが高まる。行政にとっては、消費者の再エネ転換を加速させる行政目標に沿うことになる。

 

 京都市は、19日まで事業実施者の受付を募集している。京都市は昨年5月に「1.5℃を目指す京都アピール」を宣言、 「2050年CO2排出量正味ゼロ」の長期目標を掲げた。 目標の達成のためには、市民が使用するエネルギーのうち再エネ発電の割合を飛躍的に高めることが不可欠だ。

 

 他県では、昨年5月に同制度を導入した神奈川県の場合で、県内の住宅向けに太陽光発電パネルの共同購入事業を実施している。リバースオークションの結果、一般的な市場価格より最大26%割安の価格を提示した業者が設備事業を落札したという。

https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000266/266403/01_boshuyoukou.pdf