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河野太郎規制改革相、再エネ電力の送電網接続問題で、「公平、平等なアクセス確保」を経産省に要請。河野氏が経産大臣になったらいい(各紙)

2021-01-09 01:27:30

kounoキャプチャ

 

 各紙の報道によると、河野太郎規制改革相は8日開いた内閣府の会合で、再生可能エネルギー発電の事業者が、既存大手電力の送電網への接続に際して高額の接続料を請求されたり、接続自体を拒否されたりする問題を取り上げ、「どんな電源でも送配電網に公平、平等にアクセスできるようにしてほしい」と経産省に要望した。

 

 太陽光発電や風力発電の事業者が、電力消費者にアクセスするためには、既存電力会社が独占している送電網電網に接続する必要がある。しかし、現状は既存電力各社は送電網への接続を、火力発電や原子力に優先的に割り当てている。このため、今後、再エネの発電量が増えても空き容量が少なく、接続問題が「2050年ネットゼロ」実現のカベになる可能性が指摘されている。

 

 現在、再エネ事業者は発電した電力を販売するために送電網に接続する際、高額の接続料を請求されたり、接続自体を先送りされる問題が各地で発生している。既存電力会社は、太陽光発電等は日中に発電し夜間は発電しない等自然条件に影響されることで、電力の安定供給に追加コストがかかる等と主張する。

 

 その一方で、既存電力会社自体の再エネ発電電力については、追加コストは請求せず、再エネ事業者よりも優先する形で電力網を利用できるという状況になっている。

 

 2020年4月には、送電会社を既存電力から法的分離する制度改革がなされた。だが、同じ持ち株会社内での分社化であり、既存電力優位の状況は変わっていない。こうした状況の中で、河野氏の指摘の延長線には、完全な発送電分離を想定しているとも考えられる。

 

 経産省は、先に公表した「グリーン成長戦略」で、送電網の拡大を予算措置で獲得する方針を掲げている。だが、既存電力と経産省だけが「焼け太りになるのでは」との懸念もある。河野氏は経産省に対して、3月末までに報告を求めた。

 

 河野氏は、菅首相が提唱した「2050年のネットゼロ」実現のカギとなる再エネの主力電源化を重視し、「主力電源化に向け、再エネに過度な経済的負担を負わせない制度設計ができないといけない」とも語ったという。

 

 河野氏は再エネ拡大の障壁となる規制を点検するため、昨年12月に有識者によるタスクフォースを立ち上げ、送電接続問題のほか、風力発電の環境影響評価(アセスメント)の見直しや荒廃農地で太陽光発電を拡大する対策等を議論している。

https://r.nikkei.com/article/DGXZQODE087HR0Y1A100C2000000?type=my#AAAUAgAAMA