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米、総額1兆㌦規模のインフラ法案、成立見通しへ。連邦上院で超党派で法案可決。新規のクリーンエネルギー投資や道路、橋等の修復等で大規模改革へ(各紙)

2021-08-11 08:56:36

Bidenキャプチャ

 

米上院議会は10日、総額1兆㌦(約110兆円)規模のインフラ法案について、共和党の一部の賛同も得て可決した。下院でも可決する見通しで、バイデン政権が打ち出したクリーンエネルギー投資を含む大規模なインフラ改革が動き出すことになる。バイデン大統領は「この歴史的なインフラ投資こそ米国民が求めているものだ」と強調した。

 

 バイデン大統領は気候変動対策を含め、2.2兆㌦のインフラ投資案を打ち出していた。また、子育てや医療に重点を置く1.8兆㌦規模の社会福祉投資案も合わせて議会に提出してきた。カギを握る上院では、民主党と共和党の議席が50ずつで拮抗するが、共和党の一部議員が同調し、賛成69人、反対30人の賛成多数で可決した。

 

  バイデン氏は「法案は私が大統領候補に選ばれた時に提案した公約であり、米国のインフラを、よりレジリエントにし、気候危機にどう対処するかということを、考慮したものだ。アメリカは、自らへの投資をする時、最大の繁栄をし、最大のシンポを重ねてきた」と、インフラ法案を超党派で上院可決ができた意義を強調した。

 

 同法案が成立すると、今後5年間でインフラ投資に総額1兆㌦を計上し、このうち約5500億㌦分を新規投資に充てられる。公共交通や道路、橋、高速インターネット網、電力網、電気自動車(EV)の充電設備、鉄道網(全米鉄道旅客公社:アムトラック)の整備等に充当する。今回の法案は米政府のインフラ投資としては過去数十年間で最大規模となる。

 

 米国はこれまでインフラ投資・整備が十分に進まず、既存の橋の4割は建造から50年以上を経て、うち約7.5%は構造的な欠陥の可能性を指摘されている。

 

 米議会予算局は、今回のインフラ法案が成立すると、10年間で2560億㌦の財政赤字が増えると試算している。ただ、こうした財政悪化やインフレ刺激の懸念はあるが、コロナ禍からの回復に向け積極的な財政出動が必要だとする機運が共和党にも高まり、超党派の上院での合意が成立した。

 

https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2021/08/10/remarks-by-president-biden-on-the-senate-passage-of-the-bipartisan-infrastructure-investment-and-jobs-act/