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政府、原発交付金13年度も減額せず 財政事情に配慮(各紙)

2012-08-18 13:07:57

各紙の報道によると、政府は2013年度予算で、原子力発電所が立地する自治体に支払う交付金を減額しない方針を固めた。交付金の一部は実際の発電量をもとに算定するが、運転停止中の原発も「稼働している」とみなして、地元市町村の財政に配慮する。経済産業省が交付金の総額として、今年度予算並みの約1000億円を概算要求に盛り込む。

交付金は「電源立地地域対策交付金」で、エネルギー対策特別会計に計上する。今年度予算では1059億円を計上した。このうち「原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金相当部分」は、原発が2年前に発電した量に応じて決めることになっている。

13年度予算を算定する基準年である11年度は、東京電力福島第1原子力発電所の事故をうけて、政府が全国の電力会社に「定期検査に入った原発を、安全確認が徹底されるまで再稼働しない」よう求めた。11年度中に定期検査に入った原発は、全国で28基に上る。発電実績に基づいて交付金を決めると、立地自治体への支給額の大幅減額が避けられない。

交付金には、通常2~3カ月かかる定期検査以外でも安全上の理由で運転しない場合は「通常運転した」とみなす規定がある。この規定を当てはめて、交付金への依存度が高い立地自治体の財政への影響を和らげる。今年4月に廃炉が決まった東電福島第1原発1~4号機も、交付金支給の対象となる。

みなし規定を適用するのは一時的な対応で、14年度以降も継続するかどうかは不透明だ。政府は月内にも、発電量に占める原発の比率など中期的なエネルギー政策をまとめる。脱原発を目指す場合には、立地自治体に支給する交付金のあり方を抜本的に見直す機運が高まる可能性がある。