HOME5. 政策関連 |世論を意識し原発ゼロ議論 民主党「エネカン」調査会始まる(東京新聞) |

世論を意識し原発ゼロ議論 民主党「エネカン」調査会始まる(東京新聞)

2012-08-25 13:58:06

前原誠司・民主党エネカン調査会会長


前原誠司・民主党エネカン調査会会長



民主党は二十四日、将来の原発比率やマニフェストに掲げるエネルギー政策を議論する「エネルギー・環境調査会」の初会合を開いた。政府は二〇三〇年時点の原発比率を検討中で、並行して党も独自に方針をまとめる。焦点は「原発ゼロ」を明確に打ち出して、具体的な道筋を示せるかだ。脱原発の世論を受けて党内も「脱原発」に傾きつつあるが、推進派議員の抵抗感は強い。 (金杉貴雄)


 初会合では脱原発派の議員から「国民調査では70%が原発ゼロを選んだ。原発比率0%以外を選んだら、国民への背信だ」「原発の新設は認めるべきでない」などといった意見が出された。




 会合後、同調査会の会長に就任した前原誠司政調会長らで役員会を開いた結果「原発をゼロにするかどうか」の議論を最初にする方針を確認。ゼロにする場合(1)いつの時点でできるのか(2)どのような課題があるか-もまとめることを決めた。




 原発依存度について政府は九月上旬に、三○年時点で、「0%」「15%」「20~25%」の三つの選択肢から一つを選ぶ方針。政府の議論の最終段階になって、民主党が調査会を新設して議論を始めたのは、幹部たちが脱原発世論の高まりに危機感を持ったからだ。




 前原氏は今月、講演で「個人的には二十年くらいで原発をゼロにできないかと思っている」と明言。原発ゼロを打ち出すなら代替エネルギー確保にメドを付けるべきだとの考えの仙谷由人政調会長代行も含め、「原発維持派も将来的な原発ゼロはやむを得ないと考え始めている」(中堅)との指摘もある。




 だが、国民負担増や経済活動への影響を理由に原発継続を求める声も根強い。




 二十三日の役員会では、二五年までの原発ゼロを提唱する菅直人前首相が「福島の事故を教訓に議論すべきだ」と主張。直嶋正行元経済産業相が「原発をなくした場合のコストも議論すべきだ」と反論した。




 調査会は九月六日までに結論をまとめる方針。だが、調査会の前身のエネルギープロジェクトチームが今月まとめた提言では脱原発依存方針があいまいな表現にとどまったこともあり、「短期間で結論を得られるのか」との懸念も出ている。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012082502000093.html