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韓国政府、2040年の再エネ比率、現状の4倍増の最大35%に引き上げへ。第3次エネルギー基本計画の目標設定で。日本の再エネ目標比率を上回る(RIEF)

2019-04-22 08:00:59

KoreaMEtiキャプチャ

 

  韓国はエネルギー供給に占める再生可能エネルギーの比率を、2040年までに現行から4倍拡大して35%に引き上げる目標とする方針だ。2019年から2040年の第3次エネルギー基本計画の改定作業で、一気に目標を引き上げる。韓国は日本と同様、石炭火力と原発依存の似たエネルギー構造だが、日本の現行の再エネ目標を上回ることになる。

 

 (写真は、韓国の貿易産業エネルギー省)

 

 韓国の現在の再エネ比率は8%で、日本の現状(2016年で14%=水力発電含め)より低い。政府の現行のエネルギー計画は2030年までに、これを20%に引き上げる目標を定めている。韓国のエネルギー基本計画は5年ごとに見直すことになっており、昨年末以来、見直し作業を展開している。

 

 学識経験者や産業界等の代表で構成する政府の有識者ワーキンググループは、基本計画での2040年の再エネ目標を、25%から最大2倍の40%の幅で引き上げる方針を示した。これを受けて、政府は幅で示された目標のうち、30~35%を計画に盛り込む方向としている。

 

再エネ比率目標引き上げに伴い、電力網の増強も政策課題に
再エネ比率目標引き上げに伴い、電力網の増強も政策課題に

 

 現行の韓国の再エネ水準に比べると、一気に4倍増の目標となる。ただ、国際エネルギー機関(IEA)がパリ協定の達成に向けて想定する将来のエネルギー構成比率では、グローバル平均で40%としており、それよりは低いことになる。

 

 政府は、現在、新エネルギー基本計画案についての公聴会を進めている。原案に対する官民の意見を考慮した後、大統領のグリーン成長委員会と、エネルギー評議会、内閣が共同で、国会に改定計画を提出する予定という。

 

 Park Jae-young韓国貿易産業エネルギー相は先週末、「われわれは、有識者グループの提言に基づき、よりクリーンで、より安全なエネルギーの確立に向けて、再エネ比率を30~35%の間に高める決意だ」と方向性を示した。

 

 日本は今月初めに、政府の「パリ協定長期戦略懇談会」が、今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」の実現を目指す方針を出した。ただ、再エネ比率等の新たな達成目標等は示していない。

 

 韓国のエネルギー政策を分析しているWood Mackenzie等によると、現在の太陽光発電や風力発電等の再エネ事業の展開状況から、2030年までに同国の再エネ比率は、目標値を少し下回る17%に近づく見通し。17%のうち11%分は太陽光などの主要な再エネで達成されそう。ただ、現行の政策のままだと、20%の目標の達成は難しいという。

 

 今回の改定目標は、それをさらに引き上げるわけだから、思い切った規制の導入あるいは、政策的な補助等が必要になる。Wood Mackenzieは韓国の再エネ全体の発電量は、2019年の2030年までに3倍増になると推計している。現行の政府目標では、石炭火力はの2030年に36%、原子力は24%となっている。

 

 Park大臣は、石炭火力発電については削減率を高めて、ガス火力にシフトさせる方針を示した。また、原発については、老朽原発の稼働期間の延長を見送り、停止を進めるとしている。

https://www.reuters.com/article/us-southkorea-energy/south-korea-steps-up-shift-to-cleaner-energy-sets-long-term-renewable-power-targets-idUSKCN1RV06P

http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20190419000498