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クレディスイス、ロックフェラーAM等と連携、海洋環境改善を目指す「オーシャンファンド」立ち上げ。100㌦単位で個人投資家の参加も目指す(RIEF)

2020-09-11 13:30:02

creditswiss001キャプチャ

 

 スイスのクレディスイスは米ロックフェラー・アセットマネジメント(RAM)と連携し、海洋環境の改善を目的としたインパクト投資ファンドを立ち上げる。国連の持続的開発目標(SDGs)の第14目標「Life Below Water(海洋の豊かさを守ろう)」の達成を目指し、海洋環境改善等に貢献する企業の株等に投資する。投資額は100㌦(約1万600円)からで、世界の個人投資家の投資も受け付ける。

 

 設立されるのは「The Credit Suisse Rockefeller Ocean Engagement Fund」。すでに7日から募集を始めており、30日にファンドとして立ち上げる。

 

 NGOのThe Ocean Foundationの協力を得て、海洋環境改善、保全等に技術面、ビジネス面で貢献している企業の株、株関連証券等へ75%を投資することを目指す。さらに投資先企業へのエンゲージメントも展開する。米ドルでの投資リターンは最高レベルを目指すとしている。

 

 投資先企業へのエンゲージメントでは、NGOのThe Ocean Foundationが、企業に対して海洋への影響改善、保全強化等を求める直接対話を担当する。

 

 クレディスイスのサステナビリティオフィサーのMarisa Drew氏は「SDGsテーマの中で、海洋はもっとも投資が少ない分野だ。しかし、我々の調査によると、3分の1以上の機関投資家が『ブルーエコノミー』への投資に関心を示している。今回のファンドはインパクト投資をメインストリーム化するための試金石である。海洋環境の健全化に、多くの投資家がインパクトのある投資ができるよう、機関投資家だけでなく、個人も100㌦から投資できる」と述べている。

 

 地球温暖化による気候変動の激化による海洋温度の上昇、人類の過剰・不法な漁獲、廃棄プラスチックなどの海洋投棄の増大等で、海洋環境は地球の歴史始まって以来の危機的状況に向かっているとされる。日本の貨物船によるモーリシャスでの座礁・重油流出事故もそうした人類による海洋汚染の事例だ。

 

 こうした海洋環境の悪化に歯止めをかけ、むしろ海洋環境回復をビジネスチャンスに切り替える企業や活動を支援することを目指した「海洋インパクトファンド」や「ブルーボンド」等の金融的アプローチが近年、増えている。クレディスイスの今回のファンド立ち上げはその一つとなる。

 

 ファンドはルクセンブルグに登録される。ファンドへの投資はドル、ユーロ、スイスフラン、英ポンドで可能。残念ながら日本円での直接投資はできない。

https://www.businessgreen.com/news/4019841/investing-life-water-credit-suisse-launches-sustainability-fund-oceans