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オリックス、英国のESG資産運用会社「GCM」を買収。再エネファンドや社会的不動産投資ファンド等6本を運用中(RIEF)

2020-12-04 15:05:11

Gravis002キャプチャ

 

 オリックスは、再生可能エネルギーや学生寮等のESG事業を投資対象とする英国の資産運用会社「Gravis Capital Management Ltd.(本社ロンドン、GCM)」の発行済株式の70%を取得したと発表した。オリックスはこれまでに、オランダ拠点の大手資産運用会社Robeco Groep N.V.を傘下に入れているほか、米国でも低所得者向けの運用資産を買収するなど、欧米市場でのESG投資力を高めている。

 

 オリックスは欧州の現地法人ORIX Corporation Europe N.V.(OCE)を通じて、GCMの買収をする。規制当局の承認等の手続きを経て、2021年3月までの株式の取得手続きを完了するとしている。

 

 GCMは、主に英国のインフラや再エネ、不動産などを、ESGの観点から選別したアセットを投資対象とするファンドを運営している。現在、クローズドエンド型上場ファンドなど6本、資産規模合計約290億ポンド(約4000億円)のファンドを運営、主に機関投資家向けに提供している。

 

 GCMの運用ファンドには、英国での風力や太陽光発電などの再エネ事業のほか、PFIを使ったインフラプロジェクト向け投資ファンド「GCP INFRA」、ロンドンを中心とした学生寮特化型不動産ファンド「GCP STUDENT」、賃貸住宅や学生寮、老人ホームなどの住居系資産中心の資産担保ローンファンド「GCP ASSET BACKED」などがある。

 

 このうち、「GCP INFRA」と「GCP STUDENT」は、FTSE250(時価総額でFTSE100に次ぐ中型株250銘柄)に組み込まれている。

 

 オリックスは、国内では、2002年から不動産投資信託(J-REIT)のオリックス不動産投資法人を運用するほか、2013年にESG投資にも強いオランダの大手資産運用会社Robecoを買収している。米国市場でも不動産ファイナンス分野のファンド運営会社や資産運用会社を買収している。https://rief-jp.org/ct6/106909

 

 オリックスでは、GCMが運営するファンドは、再エネやインフラ、不動産を投資対象とすることから、オリックスグループの各事業との親和性が高く、今回の買収によりGCMの既存ファンドのポートフォリオの拡充や新規ファンドの組成などで、GCMの事業を拡大することが可能になる、としている。

 

 買収後もGCMの現在の経営陣は残留し、ファンド運営事業に携わる。オリックスはGCMの経営強化および事業拡大を支援するとしている。

 

https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/201204_ORIXJ.html