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第30回グローバルファイナンシャルセンター格付。1、2位のニューヨーク、ロンドン変らず。東京は7位から9位に下落。全体にコロナの影響でスコア減少。特に中国都市の下落顕著(RIEF)

2021-10-04 17:13:21

GCFI002キャプチャ

 

 第30回グローバルファイナンシャルセンター・インデックス(GFCI)が公表された。今回も1位の米ニューヨークと2位の英ロンドンは変わりなし。前回3位だった上海が6位に、北京が6位から8位へと、中国都市が全体的に不人気だった。東京も7位から9位に下がった。コロナ禍や米中間の政治対立等の影響で、各セターのスコア全体も3年連続で低下するなど、市場環境は必ずしも堅調ではない。

 

 GCFIは英シンクタンクのZ/Yen Groupが、China Development Institute(CDI)とパートナーを組んで世界の金融市場を対象とした調査を年2回、展開している。今回対象となった金融センターは世界116都市。スコアリングは、各都市の経済データや市場参加者へのアンケート等に基づいて配点し、ランキングを付ける手法だ。

 

 その結果、ニューヨークが前回に引き続いて1位の座を占めた。ニューヨークの首位は3年連続。2位も前回同様ロンドン。3位は香港が前回の4位から一つ上がり、4位シンガポールも同様に1ランク上がった。5位には前回の12位から急上昇したサンフランシスコが入った。米国都市ではこのほか、ロサンゼルスも、13位から7位へと上昇したのが目立った。

 

上位20位までのランキング
上位20位までのランキング

 

 ただ、上位10位までの都市の得点スコアは、ニューヨーク、ロンドンを含め大半が、前年より減少した。そのうち最大のスコア減少は9位の東京dで30点減。他のアジア勢も上海が29点減、北京26点減、香港、シンガポールは各25点減と、アジア勢の大幅減少が目立った。新型コロナウイルス感染拡大の影響が反映したとみられる。上位10年中、スコアが上昇したのは10位のパリ(6点アップ)のみ。

 

 全体でも平均のスコアは12.9点(前年比2.05%)の減少となった。全体スコアの減少は3年連続。コロナ禍の影響に加え、米中対立等による国際貿易をめぐる不確実性の継続や、地域紛争や不安定等の影響が及んだとみている。

 

 GCFIは「とりわけ中国の都市は、新型コロナ感染拡大の影響で、以前より金融センターとしての魅力が低下している」と指摘している。一方で、米国の都市が好調な評価を得たのも、コロナ対策でワクチン接種等のソフトインフラが機能したことが好感されたとみている。金融センターとしての評価には、公衆衛生体制も重要ということのようだ。

https://www.longfinance.net/media/documents/GFCI_30_Report_2021.09.24_v1.0.pdf

https://www.longfinance.net/programmes/financial-centre-futures/global-financial-centres-index//