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米マイクロソフト。再エネ事業の自然電力から、太陽光発電の「環境価値」を購入する「バーチャルPPA」契約締結。仏ソシエテ・ジェネラル銀行が109億円を融資(RIEF)

2023-10-17 16:45:07

Microsoft001キャプチャ

写真は、愛知県犬山市で建設中のマイクロソフト向け「環境価値」創出の太陽光発電所)

 

 再エネ事業の自然電力(福岡市)は、米マイクロソフトの日本国内での事業に対して、太陽光発電による再エネ電力に基づく環境価値(非化石証書  :  NFC)を販売する「バーチャルPPA(VPPA)」契約を結んだと発表した。同契約に基づき、自然電力は愛知県犬山市で開発中の総発電量25MWの太陽光発電所から創出する環境価値をマイクロソフトに提供する。マイクロソフトが日本国内でVPPA契約で再エネ電力を確保するのは初めて。

 

 自然電力は、犬山市での発電量25MWacの太陽光発電事業開発・建設資金を、仏ソシエテ・ジェネラル銀行からノンリコース・プロジェクトファイナンスによって109億円を調達した。同発電から生じるNFCを販売するVPPA事業と、長期売電契約を組み合わせたプロジェクトへのノンリコース・プロジェクトファイナンスの適用としては国内初の事例だとしている。

 

 自然電力は、環境価値のNFCについてはマイクロソフトに売るが、発電した再エネ電力は東芝子会社の東芝エネルギーシステムズを通じて電力市場に販売する。マイクロソフトが結んだVPPA契約は期間20年。同社は2025年までに再エネ100%の達成を目指している。自然電力グループのJUWI自然電力がVPPA用の単体の太陽光発電所として開発中で、年内12月中に稼働する予定。

 

 今回の事業は、自然電力が全体のコーディネートとファイナンス、アセットマネジメントの各業務を、事業野開発とPCはグループのJUWI自然電力が、JUWI自然電力オペレーション株式会社(JSEO)がO&Mを、それぞれ担当する。同社グループで事業全体を手がける形となった。

 

 マイクロソフトの再エネおよびカーボンフリーエネルギー担当ゼネラルマネージャーのエイドリアン・アンダーソン氏は「自然電力の専門知識と日本市場におけるプレゼンスにより、われわれは今回、日本で初めて再エネを購入できた。100%再エネ化の目標に向けて、近い将来に環境価値の供給が見込まれるのは素晴らしい。このような商取り組みは、国内の送電網の脱炭素化を推進する上で重要だ」と述べている。

 

 自然電力の執行役員のオリバー・センター氏は、「犬山プロジェクトはわれわれ自然電力グループの持つ強みの結晶と考える。われわれは、日本、アジア、アメリカ大陸での顧客の脱炭素化を支援するために、PPAプロジェクトに一層注力し、今後同じような仕組みのプロジェクトをより多く実現したい」としている。

https://www.shizenenergy.net/2023/10/13/seg_vppa_microsoft/