欧州中央銀行(ECB)はEUのユーロ圏に所属する主要な大手銀行が現在抱える融資ポートフォリオの大半は、パリ協定の「1.5℃目標」に沿った脱炭素化へのトランジション(移行)への適合に「失敗している」と分析した報告書を公表した。銀行の多くは、電力、鉄鋼、石油・ガス等の高炭素集約型セクターへの与信を継続しており、このままでは将来の低炭素化の局面で投融資先企業が競争力を失い、融資が債務不履行に転じるリスクが高いと警告している。中央銀行が、銀行が抱えるトランジション(移行)リスクが不良債権増大につながる懸念を示したのは初めて。欧州の銀行より高炭素集約型産業への融資が多い日本の銀行が抱える「移行リスク」は、より深刻といえる。
ECBの報告書は「Risks from misalignment of……
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