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中国の金融庁(中国銀行規制委員会)主導で、環境金融の銀行格付け、ブラックリスト作成へ(FGW)

2012-08-14 23:56:03

中国の代表的な銀行(Bank of China)
中国の代表的な銀行(Bank of China)


中国の金融庁に該当する中国銀行規制委員会(China Banking Regulatory Commission:CBRC)は、金融機関が融資に際して環境配慮を実践しているかどうかをチェックするクライテリアを開発し、各金融機関を環境金融の実践力で格付けする作業を進めている。格付けとともに実践力の低い金融機関を名指しするブラックリストも作成するという。

中国では環境汚染が進行していうことから、事業融資等に際して金融機関が環境への影響を評価審査する「Green Credit Policy)に基づいたクライテリアづくりが政府ベースで進んでいる(reported in May 2012)。 CBRCの高官は、「我々は 中国の金融機関がグリーン・クレジット・ポリシーを実際に実践しているかどうかを評価し、その評価を銀行に対する規制の格付け、機関投資家やビジネスアクセスの評価、さらには銀行トップの昇進の際にも活用したい」と述べている。

実際に中国国内の報道によると、中国の商業銀行のいくつかは、グリーン・クレジット・ポリシーの実践において、遅れが目立っていると指摘されている。

 一方、地域レベルでは同政策の実践に力を入れている地方政府も目立っている。たとえば、寧波の銀行規制委員会によると、同地域の金融機関は2011年以来、エネルギー効率化や企業の汚染物質削減等を促進するための投融資に力を入れており、今年4月末までの間に、寧波の7つの大銀行合わせて、667件の省エネ投資や汚染削減事業に融資を実施したほか、そのうち 82件は今年に入ってから実施されているという。ローン総額は130億人民元で、年間16.2%増と伸びている。

環境格付け制度は日本でも導入されているが、日本の場合、金融機関が投融資先の事業、企業を格付けする形。これに対して中国の場合は、政府が金融機関の環境金融度合いを格付けする仕組みだ。似たような制度は米国で地域再活性化法(CRA)の一環として、地域金融活動の度合いに応じて、金融監督当局が金融機関を格付けする制度を導入している。

http://www.banktrack.org/