オリックス シンガポールのUOB銀行と共同で ベトナムの水力発電事業に参入。出資規模は25億円(RIEF)
2016-09-01 13:46:44
オリックスはベトナムの水力発電事業に参入する。9月中にシンガポールの大手銀行のユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)と共同で、ベトナムの水力発電大手「Bitexco Power Corporation(BPC)」の第三者割当増資で5000万㌦(約50億円)を引き受けた。オリックスの出資分は半分の2500万㌦。同社の株式の1割超を取得することになる。
オリックスは国内外で太陽光や風力、地熱発電事業を展開している。ただ、ベトナムへの進出と、水力発電事業への出資は今回が初めて。
BPCは、ベトナムで不動産事業やインフラ事業を展開するBitexcoグループの1社であり、水力発電事業を統括する持株会社。ベトナム全土18カ所に水力発電所を運営、建設している。
総発電容量は約1GW、年間発電量は約270万人の年間電力使用量に相当する3,500GWhで、ベトナムの民間電力では最大手の水力発電事業を手掛けている。
オリックスとUOBはBPCに対して役員も派遣し、今後の事業展開への助言などもするという。オリックスとUOBは2014年に、東南アジアの成長企業に対する投融資を目的としたメザニンファンドを共同で設立するなどの協力関係にある。
ベトナムは人口増加や経済成長を背景に、電力需要が年平均10~12%伸び、ベトナム統計局の試算では2015年の169.8テラワットアワー(TWh)から2030年には3倍以上の615.2TWhへ増加するとみられている。需要の増加に対応するためベトナム政府は電力市場を段階的に自由化し、民間の発電を増やす方針を掲げている。
ベトナムの電力自由化では、送電事業以外の発電、卸売、小売の各事業が完全自由化され、電力市場への民間企業の参入余地が広がる見通し。
オリックスは、日本国内でこれまでに発電容量合計約890MWの太陽光発電事業や、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電事業を積極的に推進している。また、海外でもインドで風力発電事業などを行っている。
メコン川の下流に位置するベトナムは水量が豊富な水域が多い。しかしこれまでは設備建設の容易な火力発電が発電電力量の半分程度を占めている。水力発電は長期的には発電コストが火力発電より安く、二酸化炭素(CO2)を排出しない利点もある。
■「Bitexco Power Corporation」概要
会社名 |
: Bitexco Power Corporation |