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国際金融公社(IFC)、フィリピンでペソ建てグリーンボンド(マブハイ・ボンド)を発行。国内のグリーンマネーの流れを促すとともに、昨年の地震で損傷した地熱発電所の修復に充当(RIEF)

2018-07-13 22:00:33

Phillipin1キャプチャ

 

 フィリピンで国際金融公社(IFC)がペソ建てのグリーンボンド(マブハイ・ボンド)を発行した。同国でのグリーンボンド発行は2015年に地元企業による発行にアジア開発銀行が信用保証を付けたものがあるが、国際金融機関の発行は初めて。IFCは国内の債券市場を活性化することで、再生可能エネルギー事業への資金の流れを促す狙いがあるという。

 

 IFCのペソ建てグリーンボンドは総額48億フィリピンペソ(9000万米㌦)、期間15年。フィリピン国内の投資家向け。IFCの信用格付はAAAで、これまでも30カ国以上の途上国等で、国内市場育成のために各国通貨建ての債券を発行している。国内投資家にとっては、為替リスクが少なく、高格付の投資手段を得ることができる。

 

 IFCの「マブハイ・ボンド」で調達した資金を、フィリピン最大の地熱発電事業者である「Energy Development Corporation(EDC)」に融資する。EDCの昨年の自信の資本支出プログラムに投与する。EDCは同国の発電量の9%分を地熱電力で提供している。

 

 だが、フィリピン中部のレイテ島カナンガ市に設置しているEDCのMalitbog 地熱発電所は昨年7月の地震で損傷、現在も閉鎖されている。その修復費用に活用し、早期復興を目指す。また今後の自然災害対策やエネルギー効率化対策も強化する。

 

 IFCの Vice Presidentで財務担当のJingdong Hua氏は「IFCのマブハイ・ボンドは、フィリピンの資本市場が預金を気候ファイナンスに向けて稼働させるパワフルな役割を果たすことを示すものだ。グリーンボンドの新たな発行通貨としてペソ建てで発行することは、同国の重要なアセットクラスを強化するという我々の目的につながる」と意義を強調している。

 

 フィリピンでは2015年8月に、同国の地熱発電開発を推進する再エネ企業が107億ペソ(約2億4千万㌦)のグリーンボンドを発行。アジア開発銀行(ADB)がボンドの大部分について信用保証を付けた。調達資金は今回のIFCのボンドと同様、地熱発電所の再生事業に投じられた。http://rief-jp.org/ct4/54139

 

 

https://ifcextapps.ifc.org/ifcext/pressroom/ifcpressroom.nsf/0/166E58526DB2E5B3852582B7000BB9DA?OpenDocument