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オランダのラボバンク、短期金融市場で「ESGラベル」のCP、CDを初発行。サステナリティクスの「ESGリーダー」評価を踏まえ。12億ユーロ分(RIEF)

2018-08-20 08:36:31

Rabobank1キャプチャ

 

  オランダの大手銀行ラボバンク(Rabo Bank)は、短期金融市場で、ESG評価の高いコマーシャルペーパー(CP)と譲渡性預金(CD)を発行した。ESG連動の短期金融商品は世界でも初としている。ただ、グリーンボンドなどのように資金使途のグリーン性や外部評価によるものではなく、ESG評価機関から高評価を得たことを背景にした「自己宣言型」のESG金融商品といえる。

 

 ESGのラベルがついた短期金融商品の発行は世界の金融市場でも例がない。ラボバンクは発行したCPとCDに「ESG リーダー」のラベルを付与した。「ESGリーダー」の評価は、ESG評価機関のサステナリティクス社が、グローバル企業の約1万1000社を対象にしたESG評価と格付に基づく。ラボバンクは金融産業分野で上位の5%の「リーダー」格と評価された。

 

  サステナリティクスの評価を受けて、ラボバンクでは、最大50億ユーロの発行枠を設定、初回の今回は、CPとCDを合わせて12億ユーロ(約1500億円)分を発行した。発行分は市場で直ちに消化された。同行は「ESGリーダー」に評価されている限り、ESG連動商品を発行していく、としている。

 

 ラボバンクのESG短期金融商品を購入した投資家にとっては、投資資産はESGアセットに分類されることになる。ただ、短期金融商品であるため、ラボバンク及び他の金融機関が同種の金融商品を発行し続けない限り、投資対象を維持することは難しい。

 

 ラボバンクのCP&CD担当のRobert Ruisch氏は「われわれは、短期金融市場がこれまで責任投資家に応える金融商品を提供していないことに気づき、投資家向けに投資対象の多様性と、より高い ポジティブインパクトの両方を満たす商品を開発した」と指摘している。

 

 同じく同行の財務流動性担当のFrank Beset,氏は「今回のプログラムは、われわれにとって資金調達手段の多様化につながるとともに、責任投資家に対しても投資資産の多様化につながる。さらに、われわれはグリーンボンド原則(GBP)の創設に初期から参画してきた経験を持つ。短期金融の舞台でも、責任投資ファイナンスと同金融商品市場の最初の開拓者になりたい」と意気込みを語っている。

 

https://www.rabobank.com/en/press/search/2018/20180813-rabobank-launches-first-ever-esg-leader-commercial-paper-and-certificate-of-deposit-programme.html