HOME6. 外国金融機関 |Sustainalytics社、スウェーデンのエンゲージメント会社を買収。ESG評価・セカンドオピニオン業務から投資チェーン全体へ事業拡大(RIEF) |

Sustainalytics社、スウェーデンのエンゲージメント会社を買収。ESG評価・セカンドオピニオン業務から投資チェーン全体へ事業拡大(RIEF)

2019-01-10 15:38:21

SUsキャプチャ

 

  ESG評価やグリーンボンドのセカンドオピニオンを提供するSustainalytics社が、 企業へのエンゲージメント業務等を主とするスウェーデンのGES International社を買収した。買収金額は明らかにされていない。Sustainalytics社はESG評価調査業務から、エンゲージメント業務へと事業領域を拡大することになる。

 

 GESは1992年に Magnus Furugård氏がストックホルムを本拠として設立した。当初は「Caring Capitalism」の名称だった。現在、チューリヒ、コペンハーゲン、ロンドン等に拠点を展開しており、65人のスタッフを抱える。

 

 取引先には、スウェーデンの公的年金のAP1 、AP7のほか、Church of Sweden pension fund、保険会社のFolksam of Sweden、ノルウェーのKLPなど、100以上の機関がある。主に北欧の機関が多い。その調査力は定評があり、英Responsible Investment の調査で「ベスト・エンゲージメント機関」に選ばれたこともある。

 

 オランダとカナダを拠点とするSustainalytics社は今回の合併により、550以上の年金基金や資産運用機関をカバーすることになる。GESのスタッフは大半がSustainalyticsに移るため、同社のスタッフ数は500人を超える。拠点は世界17カ国(日本を含む)に展開することになる。

 

 同社CEOのMichael Jantz氏は「今回の買収によって、わが社は、投資チェーン全体を通じた事業展開が可能になる。エンゲージメントは世界中で責任投資にとって重要性を高めている。過去数年だけでも、エンゲージメント市場は急速な拡大を示しており、従来の市場とは大きく異なっている」と指摘、今回の買収の意義を強調している。

 

 GESはこれまでにESG企業のOekomと戦略的提携関係を結んでいたが、Sustainalytics社の傘下に入ることで、同提携関係は解消される見通し。Sustainalyticsは昨年、インドのESGデータ企業のSolaronを買収している。Sustainalytics自身、2017年には、MorningStarから40%の出資シェア取得を受け入れている。グローバルベースで進むESG業界での主導権争奪戦に生き抜くための規模の拡大とサービスの多角化が今後も進みそうだ。

https://www.sustainalytics.com/press-release/sustainalytics-acquires-ges-international/