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チリが初のグリーンボンド国債発行、ドル建て14億㌦強。再エネ、省エネ等の事業に投資。CBIの認証付き(RIEF)

2019-06-24 09:00:18

Chile12キャプチャ

 

  チリは初のドル建てのグリーンボンド国債14億1800万㌦を発行した。南北アメリカ大陸でのグリーンボンド国債発行も初めて。資金使途は、公共輸送機関の電動化、再生可能エネルギー事業等に充当する。英非営利機関のClimate Bonds Initiative(CBI)の認証を得た。同国の発行債券としては歴史的に低いコストでの調達となった。米州開発銀行(IDB)の支援を受けた。

 

 (写真は、チリの財務省の建物)

 グリーンボンド国債の発行は、フランス、ポーランドなどに続いて12カ国目。満期は2050年に設定、期間31年という超長期債になる。チリはさらに今後数週間のうちに、ユーロ建てでもグリーンボンド国債を追加発行する計画だ。同国は今年後半に、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開催国となる。

 

 今回のドル建てグリーンボンド国債の発行額のうちほぼ3分の1に相当する5億2300万㌦は、新規資金として国が実施する再エネ事業等に振り向けられる。残りの8億9500万㌦は既存のグリーンプロジェクトのリファイナンス資金に充当される。

 

 南北アメリカで初のグリーンボンド国債発行とあって、投資家の人気は高く、応募総額は67億㌦と高まり、資金配分の新規資金額の12.8倍にも膨れ上がった。その結果、利回りは3.53%と、米財務省証券より95bp高いだけのレートで決まった。同国の債券発行としては記録的な好条件だという。

 

 資金使途は再エネ事業のほか、エネルギー効率化(省エネ)、バスや列車等の公共輸送機関の電化、水資源管理,グリーンビルディング等にも充当する。セカンドオピニオンは、米Moody’sの傘下に入ったESG評価会社のVigeo-Eirisが付与した。

 

 チリの財務大臣のFelipe Larraín氏は「今回のグリーンボンド国債の発行は、我が国政府が気候変動対策に明確にコミットしていることを示す具体的な行動のひとつだ。歴史的な低コストでの調達が可能になったことは、われわれの政策が正しい方向に向かっていることを市場が信認してくれたといえる」と強調している。

 

 チリ政府は今月に入って、温暖化対策を明確にするため、今後5年間で、現在操業中の石炭火力発電所8カ所を閉鎖することを公表するなど、積極的に、低炭素経済社会への移行政策を推進している。今回のグリーンボンド国債での調達資金はそうした政策を資金面から担保することになる。https://rief-jp.org/ct5/90479

 

https://www.hacienda.cl/sala-de-prensa/noticias/historico/chile-obtiene-tasa-historicamente-baja.html