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グローバル市場のグリーンボンド等ESG債の今年上半期の発行規模、前年同期比37%増の1478億㌦に。市場環境の改善が追い風に。企業発行が増える(RIEF)

2019-07-04 12:05:38

Green1キャプチャ

 

 今年上半期のグローバル市場でのグリーンボンド等のESG債の発行規模が、昨年比で37%増の1478億㌦(約16兆2580億円:速報値)へと急増した。このうちグリーンボンドが8割を占めた。上半期で最大の発行規模はオランダが初めて出したグリーンボンド国債の59億8500万ユーロ(約7480億円)だった。

 

 市場のまとめによると、上半期(1~6月)のグリーンボンドの発行規模は、前年同期比30%増の1207億㌦、ソーシャルボンドが同63%増の88億㌦、サステナビリティボンドが98%増の182億㌦となっている。

 

 大層を占めるグリーンボンドの発行体別では、企業発行が36%と3分の1を上回った。前年の企業割合は28%だった。グローバルにグリーンプロジェクト等が拡大、事業者の直接発行が増えていることを伺わせる。

 

 金融機関の発行規模は大きく減ってはいない。だが、発行総額全体が増えたことから、割合は前年の28%から21%へ縮小した。グリーンボンド国債は上半期にオランダをはじめフランス、ポーランド、韓国、香港の5カ国が発行、グリーンボンド全体に占める比率は14%だった。https://rief-jp.org/ct4/90096

 

 昨年のグリーンボンド発行額は、債券市場全体が低迷したこともあり、前年比伸び率8%の1685億㌦(CBI調べ)だった。年初の市場予測も慎重で、よくて2000億㌦規模との推計が多かった。しかし、EUのタクソノミー最終案の公表、各国のグリーンボンド国債の継続、米フレディマックの市場参入発表などのプラス要因が相次ぎ、市場は前年の伸び率を大きく上回る勢いを取り戻している。

 

 このため年初に、「2019年発行規模は年間1800億㌦」と予測していたスペインBBVAは「2200億㌦に膨らむ」と予測を修正している。

https://www.climatebonds.net/