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産業廃棄物大量投棄事件が起きた香川・豊島で、太陽光発電事業を巡り反対運動。造成地の脆弱性への懸念。地元自治会連合会、事業者の工事着工差し止め請求(RIEF)

2020-07-19 23:30:54

tesima002キャプチャ

 

   国内最大規模の産業廃棄物問題を、長年にわたる住民の力で克服してきた香川県・豊島で、新たに太陽光発電事業を巡る住民と事業者の対立が浮上した。計画されている太陽光発電設備は約1haの土地を造成して750kWの設備を建設する構想。しかし、地元住民らは、土地の造成に軟弱な汚泥等が含まれている可能性があるなど、災害対策が十分でないとして、設置工事の差し止め請求を高松地裁に申し立てた。

 

 豊島(てしま)は、1960年代から島の西部地域で産業廃棄物の不法投棄が始まり、住民たちの粘り強い反対運動によって2000年には公害調停が成立。その後、投棄された90万㌧強の廃棄物の処理作業が続けられ、2017年に完了した。まだ地下水汚染等の影響は残っているという。http://rief-jp.org/ct12/70611

 

事業者による事前調査の様子(KSB瀬戸内放送から)
事業者による事前調査の様子(KSB瀬戸内海放送から)

 

 今回の太陽光発電事業は、廃棄物投棄場所とは正反対の島東側の唐櫃(からと)地区で計画されている。報道によると、広島県内の企業が2017年に太陽光発電事業のために周辺の山林を切り開き、18年に別の事業者に事業譲渡した。その後、建設予定地からコンクリート片や汚泥があるなどとして、住民が香川県警に告発。香川県も工事の一時停止を指示するなどしたという。

 

 この辺りの経緯は、かつての産業廃棄物投棄問題に微妙に似通う。事業者はコンクリート片などは香川県の指導で除去、汚泥についても県から「問題ない」との判断を受けたとして、今年に入って工事着工を進めてきた。すでに売電契約は中国電力と締結しているという。

 

 豊島自治連合会の木村益雄会長、石井亨顧問らは16日、代理人の弁護士とともに香川県庁で会見し、「土地の造成に使われた土は軟弱な汚泥を含んでいる可能性があり、大雨で崩落する恐れがあること」「業者側が過去に提出した強度計算書に不備があり、設備が法令で求められた強度を有さない可能性もある」などとの理由で仮処分を申請したとしている。

 

香川県庁で差し止め請求について説明する住民代表
香川県庁で差し止め請求について説明する住民代表



 自治会連合の石井亨氏は「太陽光そのものに反対しているわけではない。ただ、事業の中身が具体化してくる中でこのケースは認められないと思った」と説明している。同会長の木村益雄氏も「(設置場所付近は)豊島でも有数の景観のいいところだ。将来(発電設備が)産業廃棄物になるのが一番怖い」と話している。



 毎日新聞の報道では、企業の代理人弁護士は「仮処分の内容が分からずコメントできない」と話しているという。

 

 太陽光発電事業は日本の再生可能エネルギー事業の中で最も普及している。2012年の固定価格買取制度(FIT)実施で普及が進んだが、大規模事業が一段落し、最近は中小規模事業が各地で景観や環境等との不整合で地域住民が反対運動を展開するケースが増えている。http://rief-jp.org/ct10/103774?ctid=72

https://news.yahoo.co.jp/articles/cd3660903b604ba14303949e019b96a496b7e430

http://megasolar-sokuhou.seesaa.net/category/25771405-1.html