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環境NGOの「レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)」が労働組合結成。生態系・環境保全と、コミュニティの権利・尊厳、NGO労働者の権利・人種的正義を重視する「労使協調」へ(RIEF)

2022-09-05 00:15:15

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 米国を軸にグローバルに活動する環境NGOの「レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)」はこのほど、同団体のスタッフが中心になって労働組合を結成し、アメリカ通信労働組合(Communications Workers of America、CWA)に加盟したと発表した。NGOとしての使命感に基づく活動と、労働者としての権利確保を両立させるためで、RAN自体も労組の立ち上げを支援している。

 

 設立されたのは、「RANアライアンス・フォー・ワーカーズ・ライツ」(Rainforest Action Network Alliance for Workers’ Rights、RAWR)。RAWR は 「CWA 9415支部」組合員として承認された。CWAは、米国で最大の通信およびメディア労働組合であり、民間部門と公共部門(カナダとプエルトリコを含む)の両方で約70万人の組合員を抱える。

 

 RAWRは8月12日付で結成されている。RANジャパンのサイトによると、「世界中で相次ぐ労組結成の動き、以前RANで働いていた人々、そして方向性を示してくれた運動協力者の方々に影響を受け、RAWR は、職場と運動の両方を強化するためにジャスティス(正義・公正)、サステナビリティ、アクセス権、公平性を中心に置くことを約束する」としている。

 

 RAWRは、ビジョン・ステートメントとして、①米国内外、契約、フェローシップを含むRANで働く全ての人々を団結させ代表し、同団体が直面する重要問題に取り組む②意思決定のために民主的な多数決のプロセスを維持しながら、可能な限り常に個人のニーズに対応する③すべての活動で人種、社会、経済、環境についてジャスティスを中心に置く等の8項目を公表している。

 

 組織的には「経営側」となるRAN事務局長のジンジャー・キャサディ氏は「RAN は、団体交渉の原則を十分に尊重し、組織化された労働力をソーシャル・ジャスティス・ムーブメントにした素晴らしい貢献に対して深く感謝する。児童労働法から医療保険の補償、週末および週5日勤務の導入は、労働運動がもたらしたプラスの影響がなければ成し遂げられなかったといえる。RANの組合員が労働組合結成を選択したことを大変誇りに思い、信頼のおける誠実な交渉関係を期待する」としている。

 

  地球の生態系・環境保全と、コミュニティの権利・尊厳の尊重、NGO労働者の権利や人種的正義の重視を目指した「労使協調」路線をとるとみられる。

https://japan.ran.org/?p=2037