HOME |化石燃料事業への国際的な公的資金拠出を終了する国際的同盟「CETP」参加の40カ国等の2024年の公的資金は最大78%(年163億㌦)減少。日本は公的資金での化石燃料支援継続(RIEF) |

化石燃料事業への国際的な公的資金拠出を終了する国際的同盟「CETP」参加の40カ国等の2024年の公的資金は最大78%(年163億㌦)減少。日本は公的資金での化石燃料支援継続(RIEF)

2025-10-01 01:18:25

スクリーンショット 2025-09-30 231146

写真は、CETPの活動状況を分析した非営利機関等による報告書)

 

  化石燃料事業への国際的な公的資金拠出を終了させることを目指す国際的同盟の「クリーンエネルギー・トランジション・パートナーシップ(CETP)」に参加する40の署名国の化石燃料事業への2024年の公的資金額が2019~2021年水準と比べ、最大78%(年間113億~163億米㌦)減少したとの調査結果が30日、公表された。国際持続可能開発研究所(IISD)等の3機関による報告書は「気候変動対策における国際協調行動が迅速な成果をもたらし得ることを示すもの」と評価している。今年2月にCETPを離脱した米国の化石燃料支援資金を除くと、減少幅はさらに増え、最大81%減となる。日本政府は公的資金(国民の税金)でアジア等の化石燃料関連事業への支援継続をしていることから、CETPには当初から参加を見送っている。

 

 報告書をまとめたのはIISDのほか、Oil Change International(OCI)、Friends of the Earth US(FoE US)の各機関。CETPは、2021年11月の英グラスゴーでの国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で提案、署名された。40の署名国・機関は、2022年末までに化石燃料への国際公的資金支援を終了し、クリーンエネルギーへの国際公的資金支援を完全に優先することを合意した。

 

 同公約は、輸出信用機関(ECA)、開発金融機関(DFI)、政府開発援助(ODA)を通じた輸出金融を対象とする。今回の報告書は、CETPの公約の履行期限から2年が経過した時点で、CETP参加国や機関が目標に対してどれだけ進捗したかを評価した。

 

 まず、CETPに参加する17の高所得国のうち、10カ国が自国のエネルギー金融政策を公約と完全に整合させ、強力な気候リーダーシップを示していることを確認したとしている。ただ、ドイツ、イタリア、スイス、およびCETP離脱前の米国を含む他の参加国は、公約に違反する形で、署名後に国際的な化石燃料事業に対して、総額109億㌦の拠出を承認した。

 

ECDは
ECAsは輸出信用機関による支援、DFIsは開発金融機関、ODAは政府開発援助

 

 また各国の輸出信用機関は、残りの化石燃料資金の供給において大きく加担しており、総額の47億㌦(72%)を占めている。報告書は、国際的な化石燃料事業への公的資金供与を完了させるには、これらの公的機関の改革が不可欠だと指摘している。

 

 日本はG7の中で唯一CETPに参加していない国(米国はトランプ政権になった今年2月に離脱)だが、2022年のG7合意の一環として、国際的な化石燃料事業への公的支援を終了することには合意している。しかし、日本は同合意後も、国際的な化石燃料事業への公的資金の供給は縮小せず、2022年末以降、日本はG7/CETP署名国の中で、国際的な化石燃料事業に対する最大の支援国となっている。

 

 日本の国際的な化石燃料事業に供給する公的資金規模は少なくとも78億㌦(約1兆1500億円) に達している。このうち、2024年度には28億㌦の投融資が実施されている。

 

 報告書は、CETPに参加する17の高所得国のうち、10カ国が自国のエネルギー金融政策を公約と完全に整合させ、強力な気候リーダーシップを示していることを確認したとしている。ただ、ドイツ、イタリア、スイス、およびCETP離脱前の米国を含む他の参加国は、公約に違反する形で、署名後に化石燃料事業に対して、総額109億㌦の拠出を承認した。

 

 また各国の輸出信用機関は、残りの化石燃料資金の供給において大きく加担しており、総額の47億㌦(72%)を占めている。報告書は、化石燃料への公的資金供与からの移行を完了させるには、これらの公的機関の改革が不可欠だと指摘している。

 

 日本はG7の中で唯一CETPに参加していない国(米国はトランプ政権になった今年2月に離脱)だが、2022年のG7合意の一環として、国際的な化石燃料事業への公的支援を終了することには合意している。しかし、日本は同合意後も、公的資金の供給は縮小せず、2022年末以降、日本はG7/CETP署名国の中で、国際的な化石燃料事業に対する最大の支援国となっている。化石燃料事業に配分する公的資金は少なくとも78億㌦(約1兆1500億円)に上っている。2024年度には28億㌦の投融資が実施されている。

 

 アジアでは日本のほか、韓国、中国の東アジア諸国がCETPに未加盟となっており、アジア各地での石炭や天然ガス火力発電の事業計画に対して、依然として、公的資金をバラまいている。

 

 OCIの公的資金キャンペーン・ストラテジストのアダム・マクギボン(Adam McGibbon)氏は「CETPは、数十億㌦規模の国際公的資金を化石燃料から恒久的に移行させる道筋を示し、新たな世界的基盤を確立させた。この枠組みの成功が進むほど、参加していない国々は孤立を深める残る出遅れ国も参加すべき時が来た。特に韓国の新政権は、この取組に参加することで早期の外交的成果を上げ、アジアにおける気候リーダーシップの新たな基準を打ち立てることができるだろう」と指摘している。

 

 日本の新政権も、まもなく自民党の総裁選挙を受けて決まるはずだが、マクギボン氏は日本については言及していない。日本ではどの政権が誕生しても、公的資金を海外にばらまいて化石燃料事業を、官民挙げて支援する仕組みは手つかずのまま新政権に継承されるのでどうしようもない、と「あきらめて」いるのかもしれない。

 

 一方で日本だけでなく、CETPの署名各国とも、国際的化石燃料事業への公的資金の供給を抑制し、その資金を再生可能エネルギー等の低炭素エネルギー政策に転換する仕組みの設定が不十分な国が少なくないという。報告書は、「化石燃料への資金提供については歴史的な削減を達成したものの、クリーンエネルギーに対する資金提供の進展は、はるかに遅れている。CETP参加国による2024年の再エネ支援額は、2019~2021年と比べてわずか32億㌦の増加にとどまり、化石燃料事業から削減された資金の5分の1にも満たない額しか再配分されていない」と分析している。


 FoE USの経済政策部次長のケイト・デアンジェリス(Kate DeAngelis)氏は「次の課題は、クリーンエネルギー資金が確実に追いつくようにすること。再エネ事業への支援、特に新興国や途上国における支援を急速に拡大しなければ、CETPの潜在能力は十分に発揮されないままだ」と強調している。途上国に対する低炭素エネルギー資金提供の枠組みを急速に拡大し、化石燃料事業への投融資を維持しようとする旧来型の政策立案者らによる「抜け穴」を塞ぐ必要がある、というわけだ。

                           (藤井良広)

https://oilchange.org/news/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%90%8C%E7%9B%9F%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%81%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%8C%96%E7%9F%B3%E7%87%83%E6%96%99%E8%B3%87%E9%87%91%E6%8F%90%E4%BE%9B/

https://www.iisd.org/system/files/2025-09/ending-fossil-fuel-finance-unlocking-clean-energy.pdf