パブリックリソース財団 女性の社会活動を支援する「あい基金」設立へ。資金支援とノウハウ、サポートもセットの”伴走型”支援 年間助成1200万円目指す(RIEF)
2015-11-12 00:26:16
公益財団法人パブリックリソース財団(東京)は、女性が自らの意志で人生を選択できる社会づくりを目指し、市民出資による女性の社会活動支援の「あい基金」を創設する。12月3日に基金創設発表会を開く。
新設される「あい基金」は、企業、行政、大学、NPOなど多様な場で働く女性や企業が、立場を 越えて協力する、日本初の女性のための基金となる。基金の名称の「あい」「i」は、3つのi を表す。「 Initiative」 女性が先頭に立って、「 Independent 」女性の自立を実現し、「 Inclusive 」誰もがその価値を認め合う、の意を込めている。
創設初年度は、2016年3月までに450万円の寄付を調達し、2016年度に300万円の助成プログラムを実施する。その後、5年度目の2019年度で、個人寄付500万円、企業寄付1000万円を毎年安定的に確保し、年間助成額1200万円を目指す計画だ。
すでに基金の創設に際し、モバイルテクノロジーのクアルコムジャパン社から設立支援の協賛を得たという。基金運営は、パブリックリソース財団と一般社団法人Women Help Womenが協働体制で進めていく。
豊かになったはずの日本社会で最近、顕在化している女性の貧困問題は、非正規雇用や シングルマザー、親の介護負担など、多様な原因によって深刻の度を増している。女性にしわ寄せされる負の連鎖が、次の世代にも及ぶことで 将来の経済不安を増長している。
その一方で、女性は労働力としても、豊かな感性に基づくクリエイティブな活動においても、すでに各地で活躍しており、さらなる潜在力への期待が高まっている。あい基金では、経済活動を展開する女性に資金面から支援するだけではなく、世代を超えて「女性の目線」やアドバイスを伝える仕組みを「恩送り」として組み込む。
「恩送り」とは、職場、家庭、行政、学校など様々な場面での経験豊かな先輩女性たちが、その知見やノウハウ、資産などを若い女性たちに伝える仕組みという。先輩が資金支援に加えて、”伴走”してくれる助成制度を目指す。
また、女性の社会課題解決に関心をもつ市民や企業がもつ資源(資金、物品、ノウハウ、ネットワーク等)を持ち寄り、集中して戦略的に投資する「コレクティブ・フィランソロピー」の手法も取り入れる。
基金の創設を記念して、12月3日に都内で発表会を開く。基金創設に賛同する女性オピニオンリーダーによるパネルディスカッションなどを予定している。