HOME7.金融NPO |四国初の住民主導の小水力発電所、高知市・土佐山で建設へ。地区の高齢化対応で、地区運営費等を売電収入で確保へ。来年稼働目指す(各紙) |

四国初の住民主導の小水力発電所、高知市・土佐山で建設へ。地区の高齢化対応で、地区運営費等を売電収入で確保へ。来年稼働目指す(各紙)

2017-05-21 21:49:15

kouhci2キャプチャ

 

   高知市北部の中山間地、土佐山で住民出資による小水力発電所が立ち上がった。集落内を流れる谷川で、地区内の70~80世帯の年間使用電力に相当する28万kWhを発電できる水車型発電設備を今年中に建設し、固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を四国電力に売電する予定。住民主導の小水力発電は四国では初めて。

 

 各紙の報道によると、小水力発電事業は、土佐山の高川地区の住民組織の一般社団法人「高川区」と、小水力発電所の企画・設計を行う「地域小水力発電」(高知県香美市)が100万ずつ円出資し、4月末に運営会社の「土佐山高川区小水力発電株式会社」を設立した。今後さらに増資を募るという。

 

 高川地区は現在約60世帯130人が暮らしているが、高齢化の進行で、このままでは地域の運営が難しくなる懸念がある。そこで将来に備えて、集落の運営・活動に必要な資金を小水力の売電で確保する狙いもある。事業化の発端は東京電力福島第1原発の事故。安全な発電を求めて、高知県内の研究者らが「高知小水力利用推進協議会」を発足させ、高川地区に提案した。

 

kouchi2キャプチャ

 

 建設する設備は最大出力49.9kW。FITで1kWh当たり34円(税別)の固定価格で20年間にわたって売電する。売電収入は年間930万円の見込みで、総事業費8400万円や減価償却費、維持費を差し引いた年間約50万円が地域の収入になる。地区内の共用施設の管理・修繕などの費用を売電収入でまかなう。2018年中に発電を開始する予定。

 

 建設費は民間金融機関などからの融資でまかなう予定。今後、水路を管理する高知市へ使用許可申請などの手続きに入る。地区を流れる高川川支流の標高494m地点に取水口を設け、内径25cmほどのポリエチレン管の導水管に水を通し、取水口から87m下の河川沿いに設置した水車を回して発電する。

 

 全国小水力利用推進協議会(東京・豊島)によると、ここ数年で住民がかかわる小水力発電会社は長野県飯田市や岐阜県郡上市などで立ち上がっているが四国では今回が初のケースという。高知県内には11カ所の小水力発電所があるが、いずれも四国電力や大手企業、第三セクターを含む公営の施設で、住民主導は初めて。

 

 取材に対して、高橋幹博・高川区長は「桜の植樹や祭り開催など地域に人を呼び込む活動にも生かしたい」と話している。

https://www.kochinews.co.jp/article/57357/

http://www.nikkei.com/my/?n_cid=top#!/article/DGXLZO16646230Z10C17A5LA0000/n_cid=my_top_pickup_list/