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埼玉・秩父市 福岡・みやま市の自治体電力会社の協力で、自前の電力会社設立。地域の発電力を「仕入れて卸す」型の電力の地産地消目指す(RIEF)

2018-05-07 08:15:45

CHICHIbu2キャプチャ

 

 埼玉県秩父市は、福岡県みやま市の自治体電力会社である「みやまパワーHD」の協力を得て、秩父市内にある既存の再生可能エネルギー電力を仕入れて、需要先に卸販売する地域電力会社「秩父新電力株式会社」を設立した。新会社の代表取締役には秩父市長の久喜 邦康氏が就任した。

 

 新会社は、秩父市の温室効果ガス排出抑制、再エネ電力事業による雇用の促進、地産地消を軸とした地域経済の発展を目的とする。来年4月から、同市内の公共施設へ自前の電力を供給するサービスを開始する予定。

 

 秩父市は東京電力管内で「系統連系制約エリア」に指定されている。市内で発電した電力で50kW以上のものは、送電対象となり、地域内での使用はできない。このため同市が電力の地産地消をするには、自前で送電網を整備する必要がある。だがそれには膨大な費用がかかる。そこで、すでに市内に存在する再エネ電源や家庭や企業の太陽光発電電力等を新会社が「仕入れて卸す」役割をすることで、地元の電力を地元で使えるようにするため、今回、新会社を設立した。

 

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 新会社は当面は、新たに太陽光発電施設などを設立することは目指さない。すでに秩父市にあるごみ発電、水力発電のほか、市内の企業や家庭の太陽光発電の余剰電力などを活用する。需給調節で、日本卸電力取引所等からも調達する。電力の販売先は、まず市の公共施設を中心とし、市内の事業所、一般家庭にも広げる予定。

 

 地域電力会社には秩父市とみやまパワーHD、発電事業者などが出資した。新会社の設立に際しては、実績のあるみやまパワーHDが全面的に協力、役員にも、同社の代表取締役社長の磯部達氏と、ソリューション事業部長の滝澤 隆志氏が就任し、実務的にサポートする。

 

 秩父市では、今回の地域新電力会社の設立を機に、「環境立市」推進を掲げ、地域電力で先進モデルとなっているドイツの自治体出資型電力企業の「シュタットベルケ」の日本版を目指すとしている。電力会社の電力供給事業で収益を上げ、他の不採算な行政サービス等を補う方針だ。

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