コミュニティ立脚のサステナブルバンク国際ネットワーク「GABV」、加盟機関数50を超す。日本からは第一勧業信用組合が唯一参加(RIEF)
2018-07-27 07:11:47
地域に立脚したサステナブルバンクの国際ネットワークである「 Global Alliance for Banking on Values (GABV)」(本部オランダ)は、加盟団体数が50機関を超えた、と発表した。第2四半期の 新規加盟金融機関は日本から初めて同ネットワークに加わった第一勧業信用組合(東京)をはじめ、アジア、中南米、欧州等の7機関で、合計54機関となった。GABVの各金融機関は量的な市場の拡大よりも地域コミュニティに立脚した金融の質的な在り方を追求している。
GABVは、2008年のリーマンショックによって、国際的な大手銀行が各国で資金供給を絞り込んだ際、地域の中小企業やコミュニティ等へのファイナンスを支援するため、オランダの環境銀行のトリオドスバンク等のサステナブル分野で活動してきた金融機関が組織した国際的ネットワーク。「利益よりも価値を重視した金融」を目指し、金融の本来の役割の回復と発展を目指してネットワークを広げている。
2009年の設立時は欧米等の9行による小規模な連携だった。その後、参加金融機関は、先進国、途上国を問わず増加し、今回、50機関を超えた。参加金融機関については、単に署名をすればいいというわけではなく、基本的な経営方針がサステナブルな体制になっているか、実際の金融活動の実績等を事務局が審査して参加を認める厳格な仕組みをとっている。
今回新たに参加が認められた日本の第一勧業信用組合は1年がかりで体制を整備するとともに、職員の意識改革等も意識した準備を進めた。同信組のほか、新たに参加金融機関となったのは、Banco Popular de Hoduras(ホンジュラス)、CARD Bank(フィンランド)、Charity Bank(英国)、Cooperative Bank of Karditsa(ギリシャ)、ESAF Small Finance Bank (インド)、Umbelt Bank(ドイツ)。
またパートナーとして、国際的な人道活動を展開している国際NGOのCARE International(英)、金融教育機関のThe Institute for Social Banking (ISB:独)、中南米の持続可能な開発支援のNGOのFundación Avina(パナマ)が参加した。
GABVの事務局長のMarcos Eguiguren氏は「GABVのメンバーが50機関を超えたことは、真の国際ネットに成長したことを意味する。大変喜ばしい。より健全な金融システムの達成を目指すわれわれの目的に賛同してくれるサポーティング・パートナーも増えた。引き続き、環境、社会、経済のトリプルボトムラインを追求する他の金融機関の『ロールモデル』になるとともに、消費者、顧客のより良き選択に貢献したい」と強調している。