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独フォルクス・ワーゲン(VW)、中国の電気自動車市場に今後5年間で合計150億ユーロ(約1兆8000億円)投資宣言。中国のEV市場でのトップブランド獲得を目指す(各紙)

2020-09-29 01:15:20

VWooqqキャプチャ

 

   各紙の報道によると、独フォルクスワーゲン(VW)は28日、中国の合弁3社と共同で、中国の電気自動車(EV)事業分野に、今年から2024年までの5年間に計150億ユーロ(約1兆8000億円)を投資すると発表した。25年までに中国市場に15車種のEVあるいはプラグインハイブリッド車を投入し、同市場で販売する自動車の35%をクリーン車にする計画という。

 

  VWは中国の第一汽車集団、上海汽車集団、JAC Mortors(安徽江淮汽車集団と、それぞれ合弁事業を展開している。これらの企業と共同でEV事業投資に本腰を入れる。各車両に搭載するEVバッテリー等はVWが製造する。VWの中国市場での乗用車販売は19年には400万台を超え、中国市場で約2割のシェアを握る最大手カーメーカーだ。

 また同社は10月からは、自社開発したEV専用の車台「MEB」を使うEVの生産を中国の2つの工場で始めるという。同月の生産は、中国で発売する多目的スポーツ車(SUV)のEV「ID.4」などの生産を中心とし、年間の生産台数は60万台規模を想定している。今年の中国での新エネ車(EV、FCV、プラグインハイブリッド等を総称する言葉)の販売台数は前年比2倍に伸びる見通しだ。

VWのEV車
VWのEV車

 先の国連総会で習近平国家主席は、2030年までに国内の温室効果ガス排出量のピークアウトを実現し、2060年にはカーボンネットゼロの実現を目指すことを宣言した。中国は、パリ協定の目標達成を念頭に、今後10年間でもかなり強力な気候変動対策と規制の導入を進めるとみられる。石炭火力と並んで、CO2排出量増大の元凶でもあるガソリン車やディーゼル車等の伝統的な自動車の排出規制が強化されることで、EV等への市場の需要が上昇していくことが想定される。http://rief-jp.org/ct8/106801

 VWでは今年の中国市場でのEVなどの新エネ車投資額は約16億ユーロと見込んでいる。これを21年以降は一段と増額する方針だ。VWは世界で20~24年にEVなどへ330億ユーロを投じる計画を公表済み。だが、中国での合弁会社を含めた投資額は、世界全体での投資額には含めていなかった。今回初めて中長期の計画を示した格好だ。

 VWは中国市場の中で、内外自動車メーカーでも最大手として知られる。VWにとっても中国は販売台数の約4割を占める最大の市場だ。現地企業への出資拡大は、そうしたVWの市場化戦略でもあり、それらの合弁企業と連携して中国でのEV投資を進めることは、VWのグローバル戦略の最重点課題といえよう。

https://jp.reuters.com/article/us-volkswagen-electric-china/volkswagen-chinese-ventures-to-invest-15-billion-euros-in-electric-vehicles-idUSKBN26J14C

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO64346480Y0A920C2TJ1000?type=my#AAAUAgAAMA