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ブリンケン米国務長官、米国のパリ協定復帰で「米国のリーダーシップ」強調。気候変動をあらゆる外交交渉に盛り込み、各国にも「さらなる行動」を求める、と言明(RIEF)

2021-02-20 01:20:16

Blinken001キャプチャ

 

  米国務省は19日、米国のパリ協定への再加入を発表した。ブリンケン国務長官は「米国は本日、再びパリ協定のメンバーに公式になった。我々は気候変動を、あらゆるレベルで、米国の最も重要な二国間協議と多国間交渉に織り込んでいく。各国との協議の中で、他国のリーダーたちに、さらなる行動を求めていく」と強調した。トランプ前政権下での気候変動対策での「米国の不在」に時代から、米国がリーダーシップを発揮する強い決意を示した形だ。

 

 バイデン米大統領は、大統領就任初日の1月20日に、協定再加入の大統領令に署名。これを受けて国務省は、直ちに国連に再加入を申請した。申請から30日後の19日に自動的に認められた。これにより、トランプ前大統領が、昨年11月4日に一方的に離脱して以来、107日間の協定からの「米国不在」の状態に終止符を打った。

 

 ブリンケン長官は「パリ協定は、我々が求められるグローバル行動のための前例のないフレームワークだ。その重要性は、われわれが協定をデザインし、現実化したのでよく知っている。すでに顕在化している気候変動の影響に対して世界を強靱にし、壊滅的な地球温暖化を避けるための協定だ」と、同協定の重要性を改めて指摘した。

 

 さらに同長官は、米国の国内外の政策優先度の中心に、科学者の意見を反映させることを明確にしたうえで、「気候変動と科学的外交(science diplomacy)は、今後の我々の外交政策の論議の中心となり、二度と『付属物』のような扱いはさせない」と述べた。これは、温暖化対策を否定的に扱ったトランプ前政権の「非科学的な対応」を批判したものだ。

 

 同長官は、バイデン大統領が先に打ち出した4月22日の「気候リーダーズサミット」の主催を含め、米国はあらゆる場面で、世界を新たに(協定に)エンゲージしていく、と述べた。11月に英国グラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の成功に向けて、英国や他国との協働についても言及した。

 

 同長官は、COP26の最大課題である各国の国別温暖化対策貢献(NDCs)の改定についての米国のスタンスには言及しなかったものの、米国のリーダーシップの強調と他国へのエンゲージメントを明確にうたったことで、早ければ4月のサミットで、遅くともCOP26までに、「野心的な改定NDC」を打ち出す可能性が高まってきたといえる。日本政府の対応も同時に迫られる。

 

https://www.aa.com.tr/en/americas/us-officially-rejoins-paris-climate-pact-state-dept/2150677

https://treaties.un.org/doc/Publication/CN/2021/CN.10.2021-Eng.pdf