HOME |山梨県、果樹園での選定枝等を炭にして土中に埋め、土壌の炭素貯留量を増やす「4パーミル・イニシアティブ」を実践へ。「脱炭素ブドウ」、「脱炭素モモ」等を市場に供給へ(RIEF) |

山梨県、果樹園での選定枝等を炭にして土中に埋め、土壌の炭素貯留量を増やす「4パーミル・イニシアティブ」を実践へ。「脱炭素ブドウ」、「脱炭素モモ」等を市場に供給へ(RIEF)

2021-05-13 12:57:35

 

 山梨県は、脱炭素に取り組んだ果樹園等で廃棄される剪定枝等から製造した炭を土壌中に埋めてCO2の排出を抑制する「4パーミル・イニシアティブ」活動を始めた。土壌の持つ炭素貯留量を年間4パーミル(0.4%) 増やせると、人類が毎年大気中に排出するCO2と同量を封じ込めることができるという。日本で取り組むのは山梨県が初めて。認定を受けた県内産の果物等にイニシアティブのロゴマークを付与する。「脱炭素ブドウ」や「脱炭素モモ」等が消費者に供給されることになる。

 

 「4パーミル・イニシアティブ」は2015年にパリ協定を締結したCOP21を開催したフランスが提唱して広がっている国際活動。2020年12月時点で、日本を含む566の国や国際機関が参画している。日本の地方自治体では2020年4月に山梨県が初めて参加した。

 

「脱炭素くだもの」を示すロゴマーク
「脱炭素くだもの」を示すロゴマーク

 

 パーミルは1000分の1を意味する。1パーミルはパーセント表示では「0.1パーセント」となる。土壌中の炭素貯留量を年間4パーミル増やすことで、人類が排出するCO2と同量を土中に固定できる。山梨県は同イニシアティブの趣旨に賛同し、県として取り組みともに、「4パーミル・イニシアチブ推進全国協議会」を提案、今年2月に発足させている。

 

yamanashi001キャプチャ

 

 山梨県はブドウやモモ等の果物の豊富な産地として知られる。これらの果樹園から排出される剪定枝を炭にして埋めたり、雑草を肥料として利用する草生栽培等で炭素を土壌にとどめる「4パーミル」活動を展開する事業者を認定する「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」を創設した。条件に合致する事業者に「4パーミル」のロゴマークを付与する。

 

 長崎幸太郎山梨県知事は、「果物が吸収したCO2を土の中に閉じ込めることができれば、温室効果ガス削減に大きく貢献できる。山梨県ではこの活動を全国に先駆けて今年から行っており、このような取り組みで生産された果物を新たなブランドとして認証する取り組みも進めている」と説明している。

 

 県産果実などのブランド化に貢献する。ロゴ付きの「脱炭素果物」は6月下旬から7月ごろには店頭に並ぶ予定という。消費者は、果物の味や鮮度に加えて、「脱炭素」という要素も商品選定の判断要素として考慮することになりそうだ。

 

 炭素貯留は、果樹木だけではなく、水田、畑地などの一般の農地でも様々な手法で実践が可能という。里山の広がる日本の農地に広がってもらいたい。

https://www.pref.yamanashi.jp/nougyo-gjt/documents/4pergaiyou.pdf

https://www.pref.yamanashi.jp/nougyo-gjt/documents/4persyuisyo.pdf