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山梨県の「やまなし4パーミル・イニシアティブ認証制度」第一号に、果実原料卸の地元企業を選定。果樹園の剪定樹木等を土中に埋めることで炭素固定促進(各紙)

2021-07-22 07:25:54

yamanasiキャプチャ

 

 各紙の報道によると、山梨県は19日、同県が始めた「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」の第一号の認証企業に、地元の果実原料卸業、みさき食品(同県笛吹市)等を選び、認証書を授与した。同制度は、土壌の表層部にある炭素の4パーミル(0.4%)を毎年土壌に封じ込めれば大気中のCO2の増加をゼロに抑えられる、という考えに基づく国際活動。日本では山梨県が初めて取り入れた。

 

 (写真は、「4パーミル」の認定書を渡す長崎幸太郎県知事㊨と、受賞する「みさき食品」の雨宮光社長=日本経済新聞より)

 

 「4パーミル・イニシアティブ」は2015年にパリ協定を締結したCOP21を主催したフランスが提唱して広がっている国際活動。http://rief-jp.org/ct8/114091

 

 同県の認証制度は炭素貯留量の実績を県が確認して農産物や加工品を認証する「アチーブメント(実績・成果)」認証と、炭素貯留量が確実に見込まれる計画を認証する「エフォート(取組・計画)」認証の2種類。今回、みさき食品が初めてアチーブメント認証を取得。山梨県立北杜高校などがエフォート認証を受けた。

 

 認証を受けた企業等は、県が作成した「4パーミル・イニシアチブ」ロゴマークを農産物に付与して出荷できる。地球に優しい農産物として消費者にアピールできるわけだ。山梨県は、同制度を広げることで県産果実などのブランド化を進めたいとしている。

 

 長崎幸太郎知事は第一号の認証企業等に対して、「農業分野で脱炭素社会に貢献する先駆者として各地域で活躍されることを期待している」と期待を示した。第一号の認証企業になった「みさき食品」の雨宮光社長は、「梅などを栽培する自社圃場で、良い果物を作るために剪定した枝を炭にして埋めたり、堆肥などをまいたりすることが、地球のためになる。今後も温暖化抑制に貢献して山梨の農業を後世につなげていきたい」と話している。

 

 アチーブメント認証は1ha当たり1㌧以上の炭素(CO2換算で3.67㌧以上)を土壌に貯留することが条件。エフォート認証は、県が指定した取り組み方法などを基に、土壌に炭素を貯留する計画を提出し、実績を報告する必要がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC183SC0Y1A710C2000000/