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日本の太陽光発電パネル解体技術、フランスに輸出。エス・ピー・シー(EPC)社の「ホットナイフ分離法」に高い評価。再エネ設備のリサイクルもグローバル対応(RIEF)

2021-07-29 16:05:24

NPCキャプチャ

 

 各紙の報道によると、太陽光発電設備の解体・検査機器等を製造するエヌ・ピー・シー(NPC)は、フランスの産業廃棄物処理業者であるEnvie(パリ市)に、太陽光発電パネル解体装置を提供する。NPC独自開発の「ホットナイフ分離法」の技術力が評価された形で、同装置の海外輸出は初めて。「脱炭素」ビジネスの進展に伴い、太陽光発電設備のリサイクル等の市場もグローバルに広がっている。

 

 (写真は、NPCが開発した太陽光パネル解体ライン)

 

 日刊工業新聞が報じた。NPCが開発した「自動太陽光パネル解体ライン」をEnvieがボルドー市で操業するボルドー工場向けに輸出する。Envieはフランスで使用済み太陽光パネルを回収・リサイクルする非営利団体から業務委託で事業を実施している。NPCの解体技術の高さを評価して発注した。装置の稼働は2020年以降の予定。納入台数や受注額等は公表されていない。

 

仏Envie社の廃棄物回収事業
仏Envie社の廃棄物回収事業

 

 NPCのパネル解体装置は、太陽光パネルのガラス部分と金属部分を分離できる独自技術の「ホットナイフ分離法」を搭載している。同装置は、約300℃加熱したナイフで、ガラスを割らずに、その他の部材ときれいに分離する。解体・分別は、太陽光パネルを構成する①ガラス②セル/EVAシート③アルミフレーム④ジャンクションボックス(電気の取り出し口)、の各素材ごとに切り分ける。https://rief-jp.org/ct4/91334

 

 解体・分別した銀や高純度シリコン等の素材は、ガラスメーカーや精錬所等に販売、それぞれでリサイクル処理される。同技術は、ガラスが割れているパネルの場合でも処理が可能で、環境負荷低減につながる。また処理能力は、パネル1枚当たり約60秒で処理できるという。

 

 NPCは今回のEnvieからの受注を機に、太陽光パネルのリサイクル需要が拡大する欧州市場を中心に受注拡大を目指すとしている。同社はこれまでも、太陽電池製造装置や自動化・省力化装置、真空包装機などの装置を海外50カ国以上に供給している。各国の規格や仕様への対応とともに、海外製コントローラなどへの対応実績も豊富な強みを持つ。

 

https://www.envie.org/?gclid=CjwKCAjwgISIBhBfEiwALE19SVJEs_Qdh6rFU9svckq6jo0AfnVLs26coLZVMbdv0B5KLOV15dnufhoCIhQQAvD_BwE

https://www.npcgroup.net/solarpower/reuse-recycle/dismantling