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鹿島建設、竹中工務店、デンカの3社、コンクリートを脱炭素から進めて「活炭素」化へ。CO2大幅削減コンクリや、CO2吸収コンクリ等で「カーボンネガティブ」実現へ(RIEF)

2021-10-12 21:19:34

Cncrete001キャプチャ

 

 鹿島建設、竹中工務店、デンカの3社は、コンクリートの脱炭素化をさらに進めた「活炭素」を実現する次世代型「カーボンネガティブコンクリート」技術の開発を共同研究すると発表した。CO2排出量を大幅削減したコンクリートや、CO2を吸収するコンクリート等を開発し、これらを複合的に利用することで、カーボンニュートラルを超えたカーボンネガティブを実現するとしている。

 

 建設材料として広く使用されるコンクリートは、製造過程で大量のCO2を排出する。3社はそれぞれ、あるいは協業の形で、CO2削減技術を実用化している。

 

 たとえば、竹中、鹿島等が開発した「ECM(エネルギーCO2ミニマム)」はセメントの60~70%を、鉄鋼を製造する際の副産物の高炉スラグの粉末に置き換えることで、製造時のCO2排出量を6割削減できる。CO2の大幅削減に加えて、ひび割れの原因となる乾燥収縮を低減し、酸・塩に対する劣化抵抗性を高め、高品質・高耐久性も実現できるという。

 

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 鹿島、デンカ等が開発したCO2吸収型コンクリート「CO2-SUICOM」は、セメントの半分以上を、デンカが開発した副産物を原料とする炭酸化混和材「LEAF」と高炉スラグなどの産業副産物に置き換えるほか、製造過程でコンクリートにCO2を大量に固定し、コンクリート製造時のCO2排出量を実質ゼロ以下のマイナスになる。つまり大気中のCO2を「吸い込んで」減少させる世界初のコンクリートという。現在のCO2-SUICOMは、1m3あたり18kgのCO2を大気中から削減するという。

 

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 また竹中が開発中のCO2を吸収したコンクリート素材「CCU材料」の技術も活用する。これはCO2を資源としてとらえて、火力発電所等から排出されるCO2を回収し、炭酸塩やコンクリート製品・コンクリート構造物に利用することでCO2を固定化する「カーボンリサイクル技術」の一環となる。

 

 3社では共同研究体制を組むことによって、これらのすでに開発済みあるいは開発中の技術を複合的に活用し、より高いレベルで汎用性のあるカーボンネガティブコンクリートを実現し、本格的な普及を目指す、としている。

https://www.kajima.co.jp/news/press/202110/8c1-j.php

https://www.takenaka.co.jp/solution/environment/ecm/

https://www.kajima.co.jp/tech/c_eco/co2/index.html#!body_02

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101332.html