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ロシアのプーチン大統領。ロシアのカーボンニュートラル目標を2060年に設定。「石油・石炭の役割は減少していく」と述べ、天然ガスには言及せず(RIEF)

2021-10-14 02:51:26

Putin002キャプチャ

 

 ロシアのプーチン大統領は13日、同国のカーボンニュートラルを2060年までに達成すると発言した。同氏は「石油や石炭の役割は減少していく」とも述べた。ただ、天然ガスについては言及しなかった。同氏は今年6月、政府に対して2050年までにEUの目標レベルを下回る排出削減計画の開発を命じていたとされるが、結果は中国と同レベルの2060年ネットゼロ目標にとどまった。

 

 プーチン氏はモスクワでの国際フォーラム「ロシア・エネルギー週間」で見解を表明した。「地球は、生産者と消費者を含むすべての市場参加者による、情報に基づく責任ある行動を必要としている。それらの市場参加者はわが国々の持続可能な発展に関して、長期的な視点を求めている」等と述べた。そのうえで「2060年より遅くならない時期をベンチマークとして設定する」とした。

 

 ロシアはCO2の国別排出量では世界で4番目。プーチン氏はこれまで、地球温暖化問題では、トランプ前米大統領と同様、人類の活動が原因とする説に対して、長年、疑問を示す態度をとってきた。しかし、ここ数カ月、その態度を変えていたという。ロシアのこれまでの計画では、2050年を超えても、温室効果ガスの排出量は増加し、今後80年間はネットゼロに下がらないという内容。世界の潮流に遅まきながら合わせることになる。

 

 ロシアでは昨年夏、シベリアの北極圏内で、気温が38℃まで上昇、観測史上最高の気温を記録したほか、今年の夏はシベリアで大規模な森林火災が続いた。また温暖化の影響で永久凍土の溶融も進んでいる。ただ、ロシアがどこまで本気で温暖化対策に取り組むかは疑問の声も少なくない。

 

 プーチン発言の前日、12日には副首相のアレキサンダー・ノバク(Alexander Novak)氏が、「伝統的なエネルギー源を除外することは不可能だ」と発言し、脱炭素、脱化石燃料の実践に疑問を呈した。ネットゼロ目標が、2050年ではなく、60年に設定した点でも、他国を様子見する姿勢が伺えるとの指摘もある。

 

 プーチン氏は、価格の急激な上昇が問題になっている欧州市場への天然ガスの供給については「追加措置を協議する用意がある」とし、「ロシアは建設的で、密接な協調のための準備をしている」とも語った。

 

https://www.themoscowtimes.com/2021/10/13/russia-aiming-for-carbon-neutrality-by-2060-putin-says-a75284